堤江実先生から詩集をいただいた。一年ほど前のことだ。一度読んだがそのまま本棚にしまっておいた。語るべき言葉が僕の中に見つからなかったから。
いただいた詩集は『一年後のレクイエム、そして未来へ』。それは2001年の911事件のほぼ一年後に出版されたものだ。そのときの僕にはあまりにも美しすぎたのだ。911で逝った人たちに対しての詩にしては、あまりにもデリケートで、優しすぎた。その違和感が拭えなくて、言葉にならなかった。
詩集をいただき一年たって、やっと僕の心が受け入れられるようになってきた。怒りとか、恐れとか、憤懣やるかたない思いは昇華するために時間が必要だ。
詩集にある美しい言葉と、911で起きたことのギャップを、やっと受け入れられるようになってきた。911に直接関わったわけではない、そんな僕でもこうなのだから、きっと知り合いに被災した方がいたとしたらどう感じるのだろう。
事件と詩集の大きなギャップ。
憎悪を持つ人間とそれをおおらかに許す目を持つ人間。両極端な人間という存在が、そこに炙り出される。
「どんなことでも許せる自分」とはほど遠い僕。






