9月16日に森記念財団の主催する東京未来シナリオ研究会のキックオフプログラム、『東京の未来をデザインする』を聞いてきた。基調対談は竹中平蔵氏と佐藤可士和氏だった。
佐藤氏は現在ユニクロのグローバル戦略を担当し、ユニクロのパリ店出店の準備をしている。そこで竹中氏は佐藤氏にパリでの出店に際して、日本や東京のことをどのようにパリで伝えるかについてきっと考えているだろうから、そのことについて話して欲しいと頼んだ。すると佐藤氏からいろいろと面白い話が聞けた。
まず日本は海外の人たちからクールに思われているという。そのクールの核がいったい何なのかが問題で、それをきちんとプレゼンすれば理解してもらえるという。そのとき大前提となるものが、細かいFeelingに違いはあるが「多くの人が共通に分かち持っている感覚がある」ということ。そのうえで、「なじみと先鋭のバランスを取る」そうだ。
パリではオペラ座の斜め前にユニクロができるが、以前そこは銀行だった場所で、外観はほとんど変えず、中身だけを変える。外観は伝統あるヨーロッパの建築物かと思いきや、中身はTokyo Pop Cultureで満たされているということだ。海外に進出するとき、進出先の文化をうまく取り入れるにはどうしたらいいかとよく問題になるが、H&Mが日本風になっていたら価値が下がるだろうことは予測がつく。同様にユニクロももしパリに迎合してしまっては価値が下がるだろうと考えた。だから、ユニクロの世界戦略はニューヨークもロンドンもパリも、あまり変わりがない。しかし、都市によって成熟度が違う。たとえば上海は東京より若い感じがする。すると戦略はたいして違わなくても、求められるデザインは異なったものになると言う。
東京をプロテュースするとしたら、そのキーワードは何かという竹中氏の問いに、佐藤氏は「ハイプリッドがいいと思う」と答えた。20数年前までは日本は西洋の真似ばかりしているといわれていたが、真似の域を脱してうまく西洋をミックスし、さらに西洋だけでは作り得ないハイブリッドを生み出しているという。その例として岡山産のデニムの話をした。世界中のジーンズ会社がいま注目しているのが、岡山で作られているデニムなのだそうだ。ハイブリッドを意識的に利用することで、日本の価値が上がるだろうとのこと。
これから、さらに日本や東京がいい都市となるための条件は「東京に住んでいる人が東京を好きになること」と締めくくった。
東京未来シナリオ研究会キックオフ「東京の未来をデザインする」
主催
財団法人 森記念財団
開催日時
2009年9月16日(水)19:00~21:20(受付開始:18:30)
会場
六本木アカデミーヒルズ40 キャラントA
(港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー40階)
プログラム
◇基調対談「東京クリエイティブライフ、その現在と未来」
* 竹中 平蔵(慶應義塾大学教授・森記念財団都市戦略研究所所長)
* 佐藤 可士和(アートディレクター/クリエイティブディレクター)
◇「東京未来シナリオ研究会」のねらい
* 市川 宏雄(明治大学専門職大学院長・森記念財団理事)
◇パネルディスカッション:「東京未来シナリオのキー・ファクター」
* ・コーディネーター:竹中 平蔵
* ・パネリスト
o 北岡 伸一(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
o 佐藤可士和(アートディレクター/クリエイティブディレクター)
o チャールズ・レイク(アフラック日本における代表者・会長)
o 花木 啓祐(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授)
o 廣瀬 通孝(東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻教授)






