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究極の食

キヨズキッチンの南清貴さんが新刊を出した。タイトルは『究極の食』。今年はこれから何冊か出版する予定だそうだ。

先日、ある新聞社の記者に会った。その人もキヨさんの知人だったので新刊の話しをした。するとあまり浮かない顔をしているので理由を聞いた。

「新刊のパブリシティを頼まれたんだけど、あの本には表だって書けない話があるからさ」

すぐに理解できた。本が悪いわけではない。本に書かれている内容がスポンサーのお気に召さない内容なのだ。たとえばキヨさんはサラダ油や電子レンジについての問題点を指摘している。するとそのような内容は新聞社に広告掲載しているスポンサーからクレームが入ると面倒なので新聞社は掲載しない。その新聞記者の言葉に寄れば、「科学的にはっきりしてないことを書いている本の告知はできない」のだそうだが、科学的にはっきりしてないのではなく、スポンサーの顔色をうかがっているのは明らかだ。なぜならその本の内容は科学的には証明されていて、アメリカでは廃止されているものもある。根拠のない話しをキヨさんはしない。

最近、ミスタードーナツが商品を一新した。トランス脂肪酸を減らして健康に配慮したそうだ。トランス脂肪酸を使うと揚げ物にサクサク感が出せる。ミスタードーナツはサクサク感を失ったが、体に悪いと言われているものを低減させた。アメリカのケンタッキーフライドチキンもトランス脂肪酸を使わなくなったそうだ。

現在、使っている食材には健康的にいいものかどうか謎なものが多い。『究極の食』はそれを告発する内容にもなっている。そのような本の告知ができないメディアなんていらないんじゃないか? 知人の新聞記者は頭を抱えていた。

メディアに広告を出すような大きな企業は目先の利益にとらわれるのではなく、長期的な視点に立って物事を考えて欲しい。どんなに売れても、消費者がのちのちみんな病んでしまっては商売は立ちゆかなくなるだろう。自社のファンの健康を守るために、ぜひからだにいい食材を使って商品を作るようにして欲しい。その結果、価格が高くなったとしたら、その理由を明らかにしてホームページなどで告知すればいい。そうすれば商品の他社との差別化ができて、きっとよく売れる商品になる。このような「善のサイクル」を生み出すことこそがマーケティングの究極の仕事のはずだ。何年か前に「癒しのマーケティング」という本を書こうとしたことがある。結局没になってしまったが、消費者の理解をうながし、環境、健康などに「善なるサイクル」を生み出すためのマーケティングだ。

「悪いサイクル」はこうだ。

「商品の低価格化」→「品質の悪化」→「賃金の低下」→「所得の低い人たちの環境悪化」→↓

  ↑ ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ←

これは現在日本で実際に起きている現象だ。しかもこのサイクルは、サイクルを繰り返すほど巻き込まれる人が少しずつ多くなっていく。このままでいいはずがない。このサイクルを壊すためには多くの人たちの理解が必要になる。

少しでも金銭的余裕がある人は、安いものを購買の基準にするのではなく、品質の高さを基準にすべきだ。そのことによって余剰のお金を市場に回さなければならない。それを回収するのは経営者ではなく、そこで働いている多くの人たちであるべきだ。経営者は利益をたくさん取って、労働者からいかに搾取すべきかという内容の本がたくさん出版されたが(明らかにそうとは書かれていないが、読み方を変えるとそのように読める)、それが進みすぎて賃金格差があまりにも大きいために市場でお金が回らなくなったのも不景気の理由の一つだろう。低所得者と高所得者の年収の差は、かつての日本はあまり大きくなかった。だから戦後、奇跡の景気上昇ができたのだろう。いまでは年収差はアメリカに近づくほど大きくなっている。政治家、企業人はいつまで自分の首を絞め続けるのだろう?

いろんな分野で「善なるサイクル」を回す必要がある。

「品質・価格を上げる」→「消費者の理解」→「賃金の上昇」→「より多くの人が消費する」

  ↑ ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ↓

実際のサイクルはもっと複雑だろうが、大雑把にはこんな感じだ。

様々な階層にいる人が志を持って難局を乗り越える必要がある。そのためには「善なるサイクル」を回す必要がある。言葉尻ばかり捕らえて騒いでいる時間はない。

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2 Comments

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