時々思い出したように「考具」という本を読む。読むと言うよりはその本に書かれている言葉を借りればフォトリーディングする。パラパラッとページを開いていって、必要かなと思うとこだけ少し丁寧に読む。それだけでポロッとアイデアがこぼれ落ちたりすることがある。
「考具」という本は、うまい本だ。本として読ませるのではなく、読んでいる人に連想をうながすようにできている。誰かがすでに確立したいくつかのアイデアの作り方を簡単に説明してある。このゆるさが大切なのだと思う。
一通り読んで「考具」をインターネットで検索してみた。すると「考具web」というのを見つけた。「考具」は発展しつつあるのですね。そのサイトのリンクに「アイデアパーソン入門」という本の紹介ページを見つけた。そこをすらっと読むと「たぐる」という言葉に引かれた。アイデアを自分の手元に引きよせるためにする何事かを「たぐる」と呼んでいる。
「たぐる」には四つの象限があり、それぞれ「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」と名付けられていた。
「ぶつかる」とはこう説明があった。
偶然に、自分が今まで知らなかった事象と出会うこと。キーワードは「open mind」。出会った情報素材に対して無用な好き嫌いを挟まず、まずは虚心坦懐に受け入れることが必要。「へえ」という感嘆符とともに用いられることも多い。
「思い出す」
ニュースなどを偶然見聞きすることによって、過去に接触や体験があり、記憶していたもののすっかり忘れていた事柄が、記憶の表層へ再登場すること。またそのキッカケに直接関係あるかどうかを問わず、さまざまな記憶が脳裏に去来すること。自らが蓄積していた「database」の活用。「そういえば……」という言葉で始まることがある。
「押さえる」
軽度に興味関心のあるテーマや人物などに関して、簡単な調べをすること。下調べ。詳細な分析が目的ではないため、完全な網羅性は必要としないが「footwork」よく作業することが求められる。「とりあえず」行われる場合も多い。
「ほる」
深く知りたいと思う案件について、図書資料の精読や関係者へのヒアリング、高度な技術の修練などによって専門的、「deep」な知識や知見を収集し体得すること。業務上の必要に迫られて行う場合と、自身の強い希望に基づいて行われる場合がある。その領域に関しては「深い」と称される。
見事な分類だ。しかもわかりやすい。著者の加藤昌治氏はここに行き当たるためにどんなことをしたのだろう。案外スラスラッと出てきたんじゃないかなと思う。アイデアの出る環境・状況にいる人は、その環境・状況にいない人より楽に出すことができる。
先日、「一行レシピ」という本を見つけた。その本には右側に料理の写真が掲載され、左のページにレシピが一行だけ書かれている。
「ジャガイモたまねぎ人参を軽く炒めてから、鶏肉を茹でたスーブに加えて醤油・お酒と少量のごま油を加えて煮詰める」
こんな感じだ。料理の基本がわかっている人にはこれで十分である。しかも、適当に自分なりの工夫が加えられる。
何かをやる環境・状況にいる人には、あまり微に入り細に入りの説明は蛇足だと感じる。






