2月

21

小さな熊手

東京芸術劇場の一階に
シアターアートショップという
グッズショップがある。
アート・演劇・音楽に関連した
グッズを売っている。
変わったものがたくさんあるので
ときどき覗く。
どこかの美術館のグッズだとか、
アーティストの作ったメモ用紙や
一筆箋、ブリキで作った
エジプトの棺に入った色鉛筆だとか、
つい「これなに?」と
言いたくなるようなものが
たくさんある。
その中に「作曲キット」
というものを見つけた。
箱の中に三本のペン先と、ノートと、
小さな熊手のようなものが
入っている。
三種類のペン先はきっと
楽譜用のペン先なのだろう。
昔、僕も愛用していた。
ペン先が平らに削ってあって、
縦に書くと太い線が、
横に書くと細い線が引ける。
それで音符の先の玉の部分を
太い線で書き、軸になる細い部分を
細い線で書く。
あとの二本はなんだかよく
わからなかったけど、
きっと太さが違うんだろうと思った。
しかし、小さな熊手のようなものが
なんだかわからない。
店員に聞くと、
「五線を引くペンです」という。
なるほど、これで一度に
五本の平行な線が引けるのか。
キットにあったノートを開くと
無地のノートだった。
なるほど、五線譜ノートを
作るところから始めるのね。

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