1月

27

自分から逃げること

『自由からの逃走』というフロムの本がある。
内容を端的に表現すると、人間は自由を与えられると何をするか考えるのが面倒になってたやすく手に入れられる答えに身を投じるというもの。
その逃避先が権威主義であったり、破壊性であったり、機械的画一性であったりして、その結果としてナチズムを生んだのではないかとしている。
1941年の著作だからそれからもう80年近くがたつ。
科学が、心理学が発達し、僕たちはなんでも明らかにしてきた。
だから、どんな時代に生きていようと、自分がどのように考えるかで様々な可能性があることを理解するようになった。
一方で、様々な可能性を考えられる思考は、時代が与えてくれたものであることも理解できる。
自分の環境が良ければ考えられることも、もし悪ければ考えられない。
そうだとすると、自分の思考とはいったいどういうものなのか?
本当の謎は、自分自身であるかもしれない。
逃げようのない自分の思考から、どのように距離を置くべきなのだろうか?

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