3月

31

和菓子

僕が幼い頃、桜台駅前に和菓子店があった。
そこでは毎日職人さんが和菓子を作っていた。
お茶を点てる母に連れられてよく行った。
その頃の和菓子屋さんはどこもお店の工房で作っていたように思う。
上生菓子はひとつひとつ丁寧に形を作る。
あんな繊細な作り物をしていくのは大変だろうと思っていたが、最近はあまり見かけなくなった。
もちろんデパートなんかに行けばあるだろうけど、昔はどこの駅にも一軒や二軒の上生菓子を出す和菓子屋さんがあったように思う。
最近はたいていは店舗だけで、どこかで作って持ってくる。
上生菓子があるお店は珍しくて、お饅頭とかせんべいとか、機械でも作れるようなお菓子が優勢になった。
売り子の背後にある窓から、職人の和菓子を作る姿をひさしぶりに見たい。

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