4月

22

音楽は楽しむためにある

高校では吹奏楽部にいた。
吹奏楽団の指揮者は楽団の中から学生同士で選んだ。
顧問の先生は音大で指揮を教えていた。
先生が指揮をすると何も言わずとも楽団が見事にまとまった。
その先生に年に一度、夏の合宿のときだけ指揮を教えてもらえた。
歴代の指揮者が自分の指揮と先生の指揮の違いを見せつけられ、何が違うかを学ぶ機会をもらえた。
その先生にこんな質問をしたことがある。
「先生が指揮してコンクール出たら優勝できるんじゃないですか?」
先生は答えた。
「そんなことしたいの? どうしてもというならやってもいいけど、音楽を楽しんだ方がいいんじゃない? みんながそういうなら考えるよ」
僕たちは楽しむことを選んだ。

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