7月

19

シルヴィ・ギエムのボレロ

踊りを見て感動するというのはなかなかないが、これは別格。
たまたまYouTubeに出てきたので見た。
やられた。
2015から2016年のカウントダウンにテレビ東京で放送されたそうだが、オンタイムで見ていたらもっと感動したろうな。
いったい何にこんなに心が震えるのか分析した。
まず、「愛と悲しみのボレロ」の踊りの部分を見ていたというのがひとつ。
「同じものか」と思って見たが、その油断が心を揺さぶった。
男の役を女性がしているというのもひとつあるかもしれない。
バックダンサーたちの衣装の統一にグッときたのかもしれない。
もちろんボレロという音楽にも震えた。
何度聞いてもラヴェルの音の使い方は素晴らしい。
編曲の妙とはこのことだ。
でも、それだけではないと思う。
モーリス・ベジャールが振り付けたからかもしれない。
シルヴィ・ギエムの最後のボレロだったからかもしれない。
1961年に完成したと言われるこの舞踏の、時の重みかもしれない。
シルヴィ・ギエムが東日本大震災のとき来日して踊ってくれたという人々に対する思いだったかもしれない。
最後の舞台に日本を選んでくれた意気込みかもしれない。
とにかく、うまく言語化できない何かがあった。

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