2月

3

チューブラー・ベルズ

はじめて聞いたのは
「エクソシスト」のテーマ曲として。
不思議なメロディーに魅了された。
中学一年だった。
しばらくしてオリジナルな
マイク・オールドフィールドによる
「チューブラー・ベルズ」を
聞くようになった。
それから何回も
「チューブラー・ベルズ」は
マイク・オールドフィールドによって
改作される。
「ジ・オーケストラル
 ・チューブラー・ベルズ」
「チューブラー・ベルズⅡ」
「チューブラー・ベルズⅢ」
「チューブラー・ベルズ2003」
「チューブラー・ベルズ2009」
これらを僕はほとんど聞いた。
聞いてないのは
「チューブラー・ベルズ2009」だけ。
それは最初の
「チューブラー・ベルズ」の
リミックスだと聞いたから。
一番好きなのはなんといっても
最初の「チューブラー・ベルズ」。
でも新しいのが出ると
どうしても聞いてみたくなる。
常習性のある麻薬のような音楽だ。
僕にとっては
ゴッホの「ひまわり」、
モネの「睡蓮」に似て、
ほぼ同じものを描いているが、
わずかな違いが大きな意味を持ち、
繰り返されるたびに
なるほどと思う。
音楽でこれだけ同じテーマを
繰り返す人は少ない。

2月

2

決まりごとをはずす

スタンダード音楽が好き。
幼い頃、兄がたくさんスタンダードを聞いていたので、
幼いうちから覚えた。
1970年代までの映画音楽なら
たいてい覚えている。
その頃の有名なメロディーは
いまでもよく流れて来る。
だけどときどき、
オリジナルのコードとは
違うコードの演奏がある。
そういうとき、勝手に耳が反応する。
そして多くの場合、素敵と思う。
多様性が求められるこの時代、
きっといろんなところで
かつての決まりごとが
はずされていくんだろう。

2月

1

ダビドフ ミニシガリロ

レーシング界では伝説の、
あるドライバーが
ダビドフ ミニシガリロを
好んで吸っていた。
お酒の席になると
おもむろに取り出し
ニコニコしながら吸っていた。
その頃はまだ
葉巻など吸ったことがなく、
へーっと思っていたが、
それから何年もして
おいしいなと思うようになった。
いまではダビドフのミニシガリロは
ゴールド、シルバー、プラチナムと
三種類あるようだが、
それらはまた吸ったことがない。
白い箱のダビドフ ミニシガリロを
ふと思い出して、
美味しかったなと思う。
細いので、煙が普通の葉巻ほどには出ない。
普通のバーなどで
煙草の代わりに吸うのに
ちょうど良かった。
もう25年以上前のこと。