2月

8

書きたいことを書く

気持ちが勝手に動いてしまうような書きたいことを書く。
それが罵倒であろうが、卑猥であろうが関係ない。
たとえ他人にとって読むに堪えないものであろうとも、書き手にとっての書きたいことが最優先だ。
読者に嫌われることを恐れるようでは、気持ちいいものは書けまい。
ケルアックはこう言った。
心の底から底抜けに書きたいものだけを書け。

2月

8

白熱灯

机のスタンドの電球が切れた。
うちにはLEDの電球しか取り置いてなかったのでそれを使う。
「ビー」という微妙な音がするし、なんか目が疲れる。
白熱灯を買ってこよう。

2月

2

声に乗るもの

声にはいろんなものが乗ってくる。
感情、体調はもちろん、ささいな違和感も伝えてくる。
声というものはいろんなことを含んでくれる。
その不思議さ。
僕の声にもいろんなものが乗るのだろう。
隠しても無駄だ。

2月

1

秩父遥拝

今朝、テレビをつけたら矢野顕子が民謡を歌っていた。
なんかいいなと思っていたとき、ふと「秩父遥拝」を思い出す。
笹久保伸さんが秩父の機織り歌やまりつき歌、雨乞いの歌などを集めてアルバムにしたもの。
もう歌われなくなってしまった歌ばかり。
笹久保さんは「秩父前衛派」というアート集団を主宰している。
武甲山の破壊をやめろと訴えながら、さまざまなアート活動をしている。
武甲山は石灰が産出されるのでセメント会社が掘り続け、山の形が変わってしまった。
毎年秩父夜祭で人々はその山を祀る。
秩父の町を潤すためにやせ細った山。
笹久保さんは「おかしいだろう」と訴えながら、いまはもうほかでは聞けない歌を声を絞り出すように歌うとき、隠されてしまった魂たちが咆哮を始める。
失われた山容、鉱石、泉、草花、動物、古事記の時代から伝わってきた物語や祀られた神々。
あなたには聞いてほしい、その咆哮を。