2月

28

あご出汁で素うどん

福岡であご出汁のパックを売っていたので買った。
水にパックを入れて煮出す。
いい香りが漂う。
そこに醤油を少しと塩を足し、うどんを入れて素うどんにする。
うまかった。

2月

28

アラン島

四年くらい前に、大学の同級生から「アラン島」という本をもらった。
「これあげる」というので「なぜ?」と聞いたら、「時間を潰すために本屋で買ったけど、あまり面白くなかったのであげる。ぶーちゃん行ったんだろう」とのことだった。
作者はシング。
もらったことをすっかり忘れていたが、イェイツの本を読んでいたらこの作品の逸話が登場した。
「あれか」と思ってその本を本棚から出す。

2月

26

ひさしぶりの飛行機

曇り空の日、飛行機に乗った。
雲海を突き抜けて青空。
まぶしい太陽。

2月

23

コードレス

昔はキーボードもマウスもコードがついていた。
コードは邪魔でBlueToothで繋がったときはすごいと思った。
今ではそれが当たり前となり、コードレスのありがたみを感じなくなってしまった。
こうやってありがたい物事を次々と忘れていく罪深さよ。

2月

22

ICレコーダー

昔は持ち歩きできるカセットレコーダーでインタビューなどを録音していた。
ちょっと前はICレコーダーで録音していたが、録音できる時間がもっと欲しかった。
そのあとはiPhoneの録音機能で済ませていたが、出張中にiPhone多用したら電池が足りなくなるだろうと思い、最新型のICレコーダーを探してみた。
するとびっくり。
三千円台で十分いいのが買える。
前に使っていた頃は数万円が普通の値段だった。
しかも、指先程度の大きさのものまである。
人間の便利さの追求はすごいなと思った。

2月

21

アルピ・アルト

アルピ・アルトをご存知ですか?
アルメニアのシンガーソングライターだそうです。
YouTubeにたくさん動画があるので聞いてみてください。
高い声も綺麗ですけど、僕は低い声にやられました。
歌っているときに、彼女の魂が歌と一緒にいる感じがします。

2月

20

キンドルを持ち歩く

キンドルを買って一か月以上経った。
今では二十冊ほどの本が入っている。
僕は一度に何冊かの本を並行して読んでいく。
ちょっと外出するとき、時間ができたら何を読むのか、かつてはその日の気分によって選んでいく必要があった。
キンドルにするとその必要がない。
同時に読んでいる何冊かが全部手元にあるのだ。
外出先の気分で読む本を選ぶことができる。
もう手放せないな。

2月

19

島々のバニラ

先日、「島々のバニラ」という紅茶をいただいた。
バニラのフレーバーがふわっと香る。
ミルクを入れて、お砂糖を入れて飲みたくなった。
名前が泣かせる。
20年前にはバリ島で、安くて香りの高いさや入りバニラビーンズが手に入った。

2月

18

遥かなる影

バート・バカラックが亡くなった。
カーペンターズが彼の作品を何曲か録音しているが、有名な一曲が「遥かなる影」だろう。
自転車を漕ぎながら歌っていたら、メロディーに合う和訳ができた。

なんで、鳥たちが、寄ってくるの?
私と 一緒ね 大好き

なんで、星たちが、降ってくるの?
私と 一緒ね 大好き

あなたが生まれたとき天使が降りてきて
肩の上に乗る
ミラクルなオーラがあなたのからだを包む

だから、女の子たちも、寄ってくるの
私と 一緒ね 大好き

あなたが生まれて天使が降りてきて
肩の上に乗る
ミラクルなオーラがあなたのからだを包む

だから、女の子たちも、寄ってくるの
私と 一緒ね 大好き

私と 一緒ね 大好き

ワーアアアアー
そばに
ワーアアアアー
いさせて

ワーアアアアー
そばに
ワーアアアアー
いさせて

2月

18

未来の仕事

未来のおいて仕事とはどんなものか。
お金を稼ぐことが仕事だとしたら、それらはもうすぐAIに奪われる。
人間にとっての仕事は、意味や価値の創造と継承になっていくだろう。

2月

17

生きている

世の中にはわからぬことがたくさんある。
たとえば、エクトプラズム。
結局あれがなんであったのか、誰も説明できない。
それ以上に謎なのが、自分が生きていることだ。
なぜ自分が生きているのか、「当たり前のこと」として片付けるしかない。

2月

16

夢中になる

何かやっていることに夢中になると時間を忘れる。
夢中になると約束事も忘れてしまうことがあるので、用心としてタイマーをかける。
用が特にないと夢中な時間がどこまでも続く。
食べもせず、運動もせず、それでからだを壊したのに、性懲りもない。
また今日も真夜中だ。

2月

13

白鳥の扉

二羽の白鳥が向かい合い、ハートの形を作っている写真を見たことがあるだろう。
あれとそっくりな扉の取っ手が、アイルランドのスライゴー郊外にある。
イェイツの墓があるドラムクリフ教会の扉。
その取っ手が向かい合った白鳥になっている。
白鳥の歌が聞こえてくる。

2月

12

沙羅双樹

平家物語に登場する沙羅双樹。
もとは沙羅樹と言ったそうだ。
ブッダが亡くなった場所に沙羅樹が二本生えていて、その聖なる木を沙羅双樹と言ったそうだ。
以来、多くの人が沙羅樹を沙羅双樹と呼ぶために、そちらが定着したらしい。
日本のお寺に植っていて沙羅双樹と呼ばれる木は、ほぼナツツバキだそうだ。
沙羅双樹は日本では育たない。
新宿御苑には温室内で育てられている。

2月

12

幻想録

20年以上前、アイルランドに行った時、その前後に幻想録を読んだ。
イェイツの著作だ。
当時の僕には意味のわからぬところが何箇所もあった。
今でもわかったわけではないが、二月三日に「スライゴーのイェイツ像」を書いて以来、気になって手元に置いてある。
かつて冷たかった文章が、暖かく感じる。

2月

10

本当のことはわからない

この宇宙の本当の姿を人間は理解できないという話がある。
そもそも本当の姿とは一体どういうことか?
イルカが見た宇宙と、犬が見た宇宙と、昆虫が見た宇宙、それぞれに別のものが見えるのだろう。
同様に、人類以上の知的生命体がいたとして、彼らは宇宙をどのように見るのだろう。
僕たちが宇宙を見る見方は、人間にだけ許されたもの。
人間として宇宙をどう感じるかは解明できたとしても、それが本当に宇宙の姿かというと、心許ない。
だとしても、人間は真理を求め続ける。

2月

9

イニシュモア島の土

イニシュモア島は岩でできていて土がなかった。
だから、そこで農耕をする人たちは土から作る。
石を積んで四角く囲み、そこに島のまわりにある海藻を持ってくる。
堆肥のようにして土を作る。
土がないと命を育みにくい。
日本では当たり前にある土の価値を知らされた。

2月

8

明るく生きる

世の中がどんなに荒廃しても、明るく生きる。
どこかで戦争が始まり、理不尽に税金が上がり、どんな大事件が起ころうと、明るく生きる。
あらゆるものが搾取されても、自分の気持ちは搾取されない。
明るく生きる存在であることが、愛そのもの。

2月

7

堕ちた一円玉

パン屋さんでパンを買ったとき、小銭入れから一円玉が落ちた。
棚の下かどこかに隠れてしまい、探しても見つからなかった。
「一円だからいいや」と僕は思った。
すると会計カウンターの向こう側で対応してくれていた店員さんが「何か落ちましたね」という。
「はい、一円だからいいですよ」
「ああ、確かに一円の音でしたね」
そう言ってわざわざカウンターから出てきてくれた。
「ほうきで棚の下を掃くと出てくることがあります」と言ってほうきも持ってきてくれた。
棚の下を掃くと出てきた。
僕には諦められて堕ちてしまった一円玉。
店員さんのおかげでその価値を取り戻した。

2月

7

複雑性と無限や永遠

複雑性が無限や永遠と繋がるとき、そこには今までになかった新たな複製子が生まれる。
高分子化合物の複雑性と無限や永遠が繋がったとき、遺伝子が生まれた。
アフォーダンスの複雑性と無限や永遠が繋がったとき、言語が生まれた。
まだ名付けられぬループの複雑性と無限や永遠が繋がったとしたら、未知で理解不能な何かが生まれる。

2月

5

かりんとう

かりんとうといえば、黒くて芋虫のような形をしているものと思っていたが、最近のは丸かったり、味が色々あったり、昔知っていたかりんとうとは違うものがたくさんある。
歯ごたえも違う。
サクサクしたのが好き。

2月

4

鍵善良房のくずきり

蓋の上には鍵の絵。
江戸時代にどこかの寺社の鍵を預かっていたという。
はじめて鍵善にうかがったときに聞かせてもらった。
以来鍵が店舗のアイデンティティーとなり、鍵善良房となったとか。
もう30年以上前に聞いた話なので、微妙に違うかもしれない。
申し訳ない。
ここのくずきりは絶品で、ここでしか食べられないので、京都に行くと食べたくなる。
京都にいるという友人とSNSでやりとりしたときに、「鍵善のくずきり食べたい」と書いたら、「行くつもり」だという。
いいなぁ。
上の段には黒蜜、下の段には氷で冷やした葛切りが、たゆとうている。
フルフルとからだをくねらすくずきりを箸で掬い上げ、黒蜜に浸け、絡んだ頃合いでチュルッとすする。
黒蜜の味と香りが口から鼻に抜けた頃には、官能的な舌触りに溺れている。
そして、あの噛み心地。

2月

3

スライゴーのイェイツ像

彼は詩を纏っている。
魔術と共に死を纏っている。
満たされない恋はからりと諦め、
娶った女は霊媒となった。
ミイラがミイラ布にくるまれているように
詩という心の旅にくるまれている。

2月

3

穴を掘るのが好きだった幼い頃。
土はいろんな匂いがした。
植っている草の根の香り、苦そうな香り、赤土の香り。
ヌースフィアの概念を生み出したヴェルナツキイもシャルダンも、土や地層の研究者だった。
土には生命の歴史が埋まっている。

2月

1

打ち込み

DTMって、少しだけ好きになれないところがあった。
テンポが正確すぎるということ。
多少の揺れがあったほうが心地よい。
でも、最近の若い人たちの音楽を聴いていると、明らかに打ち込みの正確なテンポなのに、それが心地よく響くことがある。
その歌詞はたいてい、現状に我慢はできないけど、それに折り合いをつけようとするようなもの。
抗えない現状に、別の部分で抵抗する。
君たちの才能はすごいよ。