Search Results for:

4月

1

桜吹雪を泳ぐ

桜がハラハラと散り出した。
散った桜の花びらが、風に吹かれ道の上を波のように流れていく。
上からは桜吹雪が降り注ぐ。
その中を自転車で走った。
流れの中を泳いでいるよう。
なぜか笑顔になる。

4月

5

桜吹雪

桜を見ながら桜吹雪に吹かれた。
はらはらと流れる。
空間が流れるかのようなその感覚。
川面には花筏。
いのちの営み。

3月

24

桜を撮る

まだ満開とは行かないが、かなり咲きそろってきたので写真を撮る。
ほぼ毎年の行為。
よく飽きないなと思う。
飽きてはいても、また撮ってしまう。
聖なる行為。

3月

16

桜の開花

近所の桜がちらほらと咲き出した。
春である。
いまから満開の桜並木や、川を下っていく花筏や、散り際の桜吹雪を思い浮かべる。

3月

15

桜の芽吹き

桜のつぼみが色づいている。
今年も桜の季節だ。
今年は例年よりちょっと早いそうだ。
まだ3月の半ばだ。
これから咲いたら入学式の頃には散ってしまう。
でも、卒業式には丁度いいか。
去年はあまりじっくりと見なかったから、今年は味わおうと思う。
あと何回見られるのか、数えられるような歳になってきたし。

3月

25

桜が咲く

また今年も桜が咲き出した。
そうするとカメラを持ち出しパシャパシャ撮り始める。
もう飽きるほどに撮ったのに、それでもまだ撮る。
撮れば撮るほど、美しさの奥行きが広がる。

3月

4

普通の桜餅

相方が桜餅を買ってきた。
透明なパッケージの中身は三つあった。
二種類の桜餅と草餅。
相方は「道明寺と普通の桜餅と草餅買ってきた」と言った。
そう、普通の。
僕も幼い頃から桜餅といえば普通の桜餅だった。
ときどき形が違う桜餅があり、なんで二種類の桜餅があるのか謎だった。
あるとき、形が違う桜餅は関西のものという認識になり、いつの間にかそれは道明寺という名だと知る。
それで、普通の桜餅は「普通の桜餅」になった。
この文を書くのにネット検索した。
普通の桜餅は「長明寺」という名前で、江戸時代享保二年(1717年)に向島の長明寺の門前で発売されたそうだ。
いまでもその発祥の店「山本や」が向島の長明寺前にあるとのこと。
自分にとって馴染みのあるものは「普通」になる。
いつか「山本や」の普通の桜餅を食べてみたい。
かつては調べようのなかった「普通の桜餅」の謎。
もちろん知る人ぞ知るということだったのだろう。
グーグルマップでお店の場所を調べたら、すぐ近くに言問団子の発祥店があり、お菓子を味わうたびに行こうかと思う。

4月

7

桜を撮る

毎年、春になると桜を撮る。
似たような写真だが、同じ写真はない。
光の変化、空の青さ、桜の色、桜の咲き方、撮影の時刻など、いろんな条件の些細な違いで異なる写真になる。
それが面白くてまた撮ってしまう。

3月

27

桜咲く

近所の桜が五分咲きだ。
春になって薄着になる。
朝の散歩の速度がゆったりとなる。

3月

30

桜の花びらを踏む

桜が散りだした。
桜の花びらが
たくさん集まっているところを
歩いた。
するとパリパリとわずかな音がする。
桜の花びらは
しっとりと水分を含んでいて
踏んでも音などしないと
思い込んでいたが、
実際には乾燥した花びらは
踏むとパリパリと音がするのだ。
50年以上
そのことに気づかなかったとは。

3月

27

桜に集まる鳥

桜が八分咲きになってきた。
まだ花びらは散らないのに、
木によっては桜の花が
足元にたくさん落ちている。
鳥が萼(がく)の蜜を吸うと、
桜の花がそのままの形で落ちてくる。
桜色のスクリューが
クルクルと回りながら落ちてきたら
見上げてごらん、
そこにはきっと鳥がいる。
先日の散歩では、
野生化したインコが
蜜を吸っていた。

3月

24

桜咲く

近所の桜が一斉に咲き始めた。
いろんな桜、それぞれ美しいが
もっとも印象的だったのは
桜並木での桜吹雪。
永遠と続くいのちの営みを
見たかのように感じた。

3月

30

ホーケキョ

うちから駅までのあいだに桜並木がある。
相方がそこを歩いていると、「ホーケキョ」とウグイスが鳴いたそうだ。
練習したら「ホーホケキョ」になるのか、それとも「ホーケキョ」が方言なのか。
僕は今年まだウグイスの声を聞いてない。
聞きたいなぁ、

3月

16

ちらりほらり

桜がちらりほらりと咲きはじめた。
つい僕は「ちらほら咲いている」と言いたくなるが、「ちらりほらり」のほうが優雅でいい。
花の咲き方まで効率化してはいけない。w

11月

3

高架下の道

西武池袋線は桜台駅あたりから大泉学園駅まで高架化され、その下にはあまり車の通らない道がある。
そこをのんびり自転車で走るのが爽快だ。

8月

21

人気の樹

近所に桜の木がある。
春には奇麗な花を咲かせる。
なぜかその木にだけ、夏には蝉がたくさんとまって鳴く。
おいしい蜜が吸えるのか、雄と雌の出会いがたくさんあるのか、それとも?
なんにせよ、賑わいがあるのがいい。

8月

8

ほのかな色の変化

地平線から真上へと青空のグラデーション。
太陽の角度によって海の色の違い。
森の緑。
窓から差し込む冬の光が部屋の奥へと届くとき。
日が沈むときの赤から橙色、そして白を通って紺色に染まる空。
見つめあったときのあなたの顔色。
桜吹雪の流れ。
咲き誇った紫陽花。
朝日に照らされた肌。

4月

16

瞳のシャッター

青空を背景に八重桜がきれいに咲いていた。
写真を撮ろうと鞄を開けたら、スマホがない。
うちに忘れてきたようだ。
仕方ないので目に焼き付けた。
瞳のシャッター、パシャリ。
でも、きっと忘れるんだろうな。

3月

28

控えめな満開

昨日、東京では桜が満開になったという。
近所に桜の名所があるので、毎年のように桜を見る。
今年の桜は控えめかもしれない。
年によってぶぁっと咲く年と控えめな年がある。
今年は少し控えめな気がする。
これからぶぁっと咲いたらそれはそれでいいのだけれど、控えめの桜でもなんかいい気がする。
桜もウクライナの状況を悲しんでいる。

3月

28

花見の散歩

朝から出かけて近所の桜を見て回った。
まず、朝の光は桜を美しく見せてくれる。
薄明かりの頃には薄いピンクが少し濃い色に思える。
桜を見上げるようにして背景を空にすると、空の色がよりいっそう青く見える。
相方といろんな思い出話などしながら半日歩いた。

3月

31

15円の切符

西武池袋線桜台駅が幼い頃の最寄りの駅だった。
そこから電車に乗ってよく池袋に行った。
小学生になってはじめて切符を買ってもらった。
桜台駅から池袋まで、大人が30円、子供が15円。
15円の切符を握りしめ、池袋に行くのがうれしかった。

3月

31

和菓子

僕が幼い頃、桜台駅前に和菓子店があった。
そこでは毎日職人さんが和菓子を作っていた。
お茶を点てる母に連れられてよく行った。
その頃の和菓子屋さんはどこもお店の工房で作っていたように思う。
上生菓子はひとつひとつ丁寧に形を作る。
あんな繊細な作り物をしていくのは大変だろうと思っていたが、最近はあまり見かけなくなった。
もちろんデパートなんかに行けばあるだろうけど、昔はどこの駅にも一軒や二軒の上生菓子を出す和菓子屋さんがあったように思う。
最近はたいていは店舗だけで、どこかで作って持ってくる。
上生菓子があるお店は珍しくて、お饅頭とかせんべいとか、機械でも作れるようなお菓子が優勢になった。
売り子の背後にある窓から、職人の和菓子を作る姿をひさしぶりに見たい。

3月

12

山椒の葉っぱ

外は次第に温かくなり、桜は咲き、ベランダの山椒の木に小さな葉っぱが出てきた。
春だよ。
そろそろ自分の頭からあの言葉をはずしてもいいコロナ。
おお、はずれない。笑

3月

2

あんぱんの話

近所にあるパン屋さん「アンジェリーナ」のあんぱんには、桜の塩漬けが載せてある。
相方はひとつしかないあんぱんをふたつに割って、両手に持ち、「どっちがいい?」と聞く。
僕から見て左側のあんぱんが不自然に揺れている。
左を選べということか?
そこで反対を選ぶ。
「じゃあ右」
「えっ? こっち?」と言って、僕から見て右を振る。
「そう」
「えーっ」と不満げな顔をして、お皿に右のあんぱんを置く。
そして、そこに乗っていた桜の塩漬けを二つにちぎって分けた。
相方は桜の塩漬けが好きなのだ。
「黙ってそっちから見て右側を出せばいいじゃないか」
「やだ」
「なんで?」
「こういうやりとりが面白いから」

4月

5

樹下のさくら餅

桜並木に沿って歩いていた時、ひとりの男性が背中を向けて黙って立っていた。
きっと桜を見ているのだろうと思って通り過ぎようとした。
そのとき、彼の口元にさくら餅があった。
咲いた桜を見上げながら、さくら餅を頬張っている。
それ、いいなと思った。