12月

27

人新世の投げかける問題

2000年2月、メキシコでおこなわれた地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)の席上、オゾン層研究でノーベル賞を受賞したパウル・クルッツェンが叫んだ。
「我々は完新世ではなく、すでに人新世の中にいるんだ」
その二年後、クルッツェンは科学雑誌『ネイチャー』に論文を投稿する。
その論文で彼は1784年から人新世という地質時代を加えるべきだと主張した。
地質時代はそもそも数百万年から数億年の単位で変化してきた。
それに比して人新世はたった200年程度のものでしかない。
本当に地質時代に見合うものなのか?
クリストフ・ボヌイユとジャン=バティスト・フレソズはそれを擁護する共著書『人新世とは何か』を発表する。
読むと確かに納得させられる。
僕たち人類は地層も大気圏も水圏も、1784年以降どれほど変化させてしまったのか読むことができる。
地球に対する知性の影響は斯くも大きなものであった。
当時の知性は社会と自然の関係に目隠しをする「欲望の裏返し」だった。
それにやっと気づくときが来た。

9月

25

ホモ・デウス

ユヴァル・ノア・ハラリの
『ホモ・デウス』を読んだ。
面白かった。
ただし、未来がかなり悲観的。
そこに書かれていたようなことを
20年以上考え続けてきた。
その内容の一部がここに。
http://www.houshouakira.com/resonance/?p=594
かなりはしょってあるので
理解しにくいかもしれませんけど、
いつかもっと丁寧に書きます。
で、この続きを10月10日に話します。
http://www.houshouakira.com/resonance/?p=672
『ホモ・デウス』で
疑問に残されたことに対して
僕なりの解答を出します。
ただ心配なのは、
説明する時間が足りるのかってこと。

8月

6

火星

最近、赤く輝く星が
夜空に目立つ。
火星だ。
2003年以来の大接近だと言うが、
2003年の大接近が
どのようなものだったのか
もう忘れてしまった。
もしかしたら
気にもしていなかった
のかもしれない。
それで調べてみた。
すると2003年の火星大接近は
火星までの距離が
5575万kmだったそうで、
これより近い大接近は
過去にさかのぼると
約六万年前、紀元前57,617年だという。
そんなすごい大接近を
ぼうっとして逃していたのかと思う。
今回の大接近は5760万kmだそうだ。
2003年より近くなる大接近は
2287年にあるという。
過去にさかのぼると六万年前なのに
未来ではたった269年後にある
というのが、
なんだか不思議な気がする。
その頃には人類は火星に行くように
なっているだろうか。
今年と2003年の共通点が
何かあるかと調べたら、
なんと2003年もヨーロッパでは
非常な猛暑だった。
8月中旬にフランスでは8日連続で
40℃以上が記録され、
14,800人以上が死亡している。
その他のヨーロッパの国々でも
熱波が原因で数千人の単位の
人たちが亡くなっている。
火星が接近する年は
熱波が来るのだろうか。

5月

28

月と木星

昨晩、うちに帰ると相方が
「月と木星が見えるよ」
というので空を見上げた。
薄雲がかかっていたが東南の空に
月に寄り添って木星が光っていた。
「木星って曲あったよね」
というので、三拍子の部分を歌った。
途中で相方も一緒に歌いだした。

5月

23

2018年5月22日の金星と木星

昨晩、相方が帰って来て
「あの光はなに?」というから
外に出て西の空を見た。
まだわずかに夕焼けの光が
夜空の底にほの見えていた。
それより上、
すっかり夜空になったあたりに
ひときわ明るく光る星があった。
「あれ星かなぁ?」
というので
「金星じゃない?
 太陽が落ちたばかりに見える
 明るい星はたいてい金星だよ」
と答えた。
「じゃああれは?」
と東の空を指さす。
そこにもひときわ明るい星があった。
「木星かなぁ?
 よくわからないけど」
色からして火星には見えなかった。
土星があれほど明るく光るのを
見たことがない。
そこでiPhoneを取り出し
Star Walkを呼び出した。
Star Walkは夜空にかざすと
その方向にある星の名前を
教えてくれる。
西の星は金星、東の星は木星と
わかった。
ネットで調べると、
5月27日に月と木星が
接近して見えるそうだ。

5月

2

YouもMeも宇宙人

地湧社の新刊を献本していただいた。
いけのりという著者の
軽口な文体による宇宙生物学の本。
難しいのか簡単なのか
読んでいて混乱する。
それがいけのり氏のうまいところ。
プラトンの『パイドン』に出て来る
アナクサゴラスが登場して
ちょっと興奮。
アナクサゴラスは
「ヌース(智恵)」が
物質を寄り合わせ、
生命を生み出したということを
紀元前500年頃に言っていた人。
パンスペルミア説を最初に唱えた人
と書かれていてびっくり。
まあ、そういうふうに
読めなくもない。

4月

29

クローン犬のこぼれ話

「追憶」で有名な
バーブラ・ストライサンドが
クローン犬を飼っているそうだ。
昨年なくなったペット犬の
クローン二匹を作って
育てているという。
その話はとても微妙だ。
飼い主としては前に飼っていた犬の
生まれ変わりのように
可愛いのかもしれない。
その気持ちはよくわかる。
だけど、一歩引いてその話を聞くと、
「さてどうなんだろう?」と
疑問を持つ。
スティーブン・キングの名作
『ペット・セメタリー』を思い出す。
あんな話はないにせよ、
そのうち
「可愛かった娘をクローンに」
なんて話が出てこないだろうか
というと、相方が、
「うん、かわいい娘とか
 息子とかのために
 クローンを作ろうという親は
 出てこないとは限らないわね。
 でも、夫はクローンに
 しないだろうな」