「瀬戸内国際芸術祭2016」に寄せて

5/25に東京大学の福武ホールで、未来へのメッセージ舎が主催した福武總一郎氏の公演を聴いた。

福武總一郎氏はベネッセホールディングスの最高顧問であり、公益財団法人福武財団の理事長でもある。トリエンナーレである瀬戸内国際芸術祭が今年三回目を迎えるにあたり、『「瀬戸内国際芸術祭2016」に寄せて』という演題でお話なさった。それぞれの島をどのように芸術化していったかをお話なさったあとで、一番印象に残ったのは終わり近くで語った話だった。

福武氏は、人が幸せになる方法を見つけたという。それはどういうことか。こんなことを語っていらっしゃいました。

みんな幸せになりたい。幸せになる方法とは、幸せなコミュニティをつくるということ。それはどういうものか? 年寄りが幸せなコミュニティ。いろんな経験を積んだ人、そういう人がしあわせにならないとダメ。そういう人が幸せだと若い人も幸せになれる。自分が幸せになれるというビジョンが持てるから。どうやったらお年寄りに笑顔があふれるのか?

お年寄りは少々のお金では動かない。箱ものを作っても喜ばない。

お年寄りの笑顔をつかむのは、アーティストが島に来る。ゴミのようなものを集めて作品を作る。島の人たちはいろいろと手伝う。お茶を入れたり、食事を作ったりする。そうして作品を仕上げたアーティストはいつか島を出て行く。都会から作品を見にきた人たちが、年寄りからいろんな話を聞く。なかにはでまかせもあるだろう。若い人たちが年寄りの話を「はあはあ」と聞くと、年寄りは自信を持つ。これが直島メソッド。

街と女性は他人が見て美しくなる。

知っているオジイさんが当時76でした。奥さんが10年くらい前になくなった。その人が再婚すると言い出した。相手は直島に通ってきた女性。軽トラで島を案内した。年は26歳。女性がオジイさんを口説いた。いまでも仲良く付き合っている。なまめかしい島です。

人生若々しくあるというのは、恋愛が一番。小説も映画も恋愛がなくなったらつまらない。直島に来たらできます。いっぱいエピソードができています。おじいちゃんたちは船が着くたびにナンパするようになった。あとはメル友の数を競うようになった。おばあちゃんも口紅や頬紅をするようなった。

瀬戸内国際芸術祭に参加した島はどこも元気になる。
小豆島の高校は甲子園に出た。島には1000名以上人が増えた。へぎ島は小学校中学校が再開した。今年は幼稚園も再開した。映画館もできた。島の人たちがどんどん元気になっている。このような姿は都会では見られない。笑顔や喜びは、とても大きい。忘れられたような島でも、アートの力で復活している。島の人たちがあれやりたいこれやりたいと言えるようになってきている。

この活動をやって30年くらいたつが、やり続けないとダメ。大事なのはアートは手段だということ。たいていの人はアートを主役だと考えてしまう。しかしそれでは幸せにはなれない。人が主役。コミュニティを幸せにするために使い方によってはアートは力を持っているということ。

日本をよくするには、多様性にあふれた地域の集合体にすること。ふるさと納税を活用すること。第二第三の故郷を大切にすること。

以上。素敵なお話でした。

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