たった一枚のドミノが何万枚ものドミノを倒すように、ほんの些細な行動が大きな結果を生む。マッチ一本の火が山火事を引き起こすように。
昨日、竹村真一氏と星野克美氏の対談を聞いてきた。その中で竹村氏は「一台の自動車が走るエネルギーの90%は熱として放散され、走るために使われるエネルギーはたった10%だ」と言った。人の体重が仮に50kgだとして、車の重量が1tなら、人の移動のために使っているエネルギーはたったの0.5%ということになる。つまり極端な言い換えをすれば「90%のエネルギーを熱にしてしまうかまどを抱えて走っている」ようなものだ。しかも99.5%のエネルギーは無駄。もし0.5%のエネルギーだけで移動できるなら、どれだけ効率の良いことか。
大気に排出された90%の熱は、もちろん温暖化に貢献する。今仮にガソリン1lで10km走る車が、時速100kmで走っているとしよう。このとき1時間に使われるガソリンは10l。1gのガソリンから得られる熱量は10,400calだそうだ。すると10lのガソリンからは139,000,000calが得られる。(ガソリンの比重はだいたい水の3/4だそうだ。有効桁数三桁。大雑把に計算する) 排出されるのはその90%だから、125,000,000calになる。その熱量は、1gの水を1度上げるのが1calだから、125,000lの水を1度上げる熱量になる。
1lのペットボトル125,000本。これでちょっと実感が湧くだろう。これだけの水を一度あげるためにコンロで熱していったら、どれだけの時間がかかるだろう? または、1lのペットボトル1,250本の水を0度から100度にするだけの熱量とも言える。大雑把ではあるが、それが一台の車が時速100kmで1時間走ったとき空中に排出される熱量となる。車の総数を考えれば気候が温暖化しない方が不思議なくらいだ。
一般市民ができる温暖化対策のひとつは、車の代わりに自転車や電車を利用することだ。特に自転車はエネルギー効率が100%に近い。こいだ力はほとんど全部が前進に使われる。摩擦で消費されるエネルギーは小さい。しかもエネルギーを供給するのは人間だ。資源は何も使わない。
日本は自転車の利用率が高い国だ。しかしさらに利便性を高めることができる。バイク・シェアを促進して「バイク・アンド・ライド」を実施することだ。「90〜91年版地球白書」に登場するこの概念は、近くの駅まで自転車で行き、遠距離は電車で移動すること。着いた駅からまた自転車に乗れるとさらに良い。そのためには電車に自転車を持ち込めるようにするか、着いた先の駅にバイク・シェアのためのステーションがあるかだ。
地球の未来を考えるなら、可能な限り移動手段は自転車や公共交通に変更するべきだ。石油資源の枯渇はもう始まっているという。社会システムがストップする前に、移行できるものは移行していこう。大きな貨物の運搬など、どうしても必要なところにだけ車を使えばよい。
6年前から自転車に乗るようにしている。はじめのうちは坂を登るのがきつかったが、乗っているうちにからだが慣れ、いまはスイスイと走れる。健康のためにも絶対良い。熱を放出しながら汚染された空気を生み出すか、せっせと走って健康になるか、選ぶのは僕だ。
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