2km泳ぐようになってもうすぐ2年

こちらに書いたように、2011年の夏から2kmをクロールで休まずに泳ぐようになったけど、それ以来なかなか進歩がない。2km泳ぐのがいまの僕にはちょうど良いようだ。

本当は次第に泳ぐ距離を長くしたいところだが、なかなか長くならない。2km泳ぐとかなりからだが疲れる。一番問題なのは足がつりそうになることだ。だましだまし泳いで2.5kmまでは行けるが、それをいつもやるにはまだからだができてない。歳を取って筋肉はあまり発達しなくなったようだ。

ときどきお世話になっているTOMOカイロプラクティックのBlogに、「夏に向けてのシェイプアップ」に関して書かれているが、まったくその通り。僕が長く運動していられるのは「オーバーワークはしない」という鉄則を守っているから。それさえ守れば50過ぎでも運動は始められる。

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クロールで長くゆっくり泳ぐには

このところプールに行くと一時間に2kmずつ泳いでいる。そのコツはゆっくり泳ぐこと。水泳について習ったこともないし、プロでもないので、僕の経験でしか書けないけど、どのようにして2km泳ぐようになったのか、それを書いてみよう。

2009年10月頃から泳ぎ始めたが、その頃はクロールで50m泳ぐのが大変だった。その頃に書いた文がここにある。

そんな状態だから一時間に2kmも泳げるようになるとは思ってなかった。そうなったらいいなとは思ったのかもしれないが、そう思う前に楽に100m泳ぎたかった。

もう一年半前のことなので記憶が少し曖昧だが、最初のうちは50mクロールしたら、少し休んで50m平泳ぎしていた。大学生のときに体育の時間に水泳を取り、平泳ぎでは何キロか泳げるようになっていた。だから平泳ぎするのはあまり苦ではない。しかし、当時は20歳代、40半ば過ぎとは体力が違う。50mずつ1kmも泳げば疲れた。いつかトライアスロンをしたいと思っていたので、数キロ楽に泳げるようになりたいという願望はあったが、それが実現するかどうかはよくわからなかった。特にクロールは、数100m泳ぐと疲れて腕が上がりにくくなった。とても数キロ泳げるとは思えない。

だけど、そのとき役に立ったのはマラソンの経験だった。しばらくジョギングを続けていた。はじめは4km走って死にそうに疲れたけど、結局フルマラソンが走れるようになった。そのときの方法と同じようにして泳げばいいと思った。その方法は、楽に走れる距離と速度で満足すること。

若い頃であれば少し無理して筋肉が疲れるまで酷使して、一週間もすれば筋肉が強化された実感があった。しかし、歳を取るとそうはならない。無理すると長く休むことになり、休んでいる間に以前出来たこともできなくなる。そこでやるべきことは、「無理をしない」「一定の間隔で運動する」「気持ちよくできる範囲でやめる」だ。これを守れば若いときのように発達はしないが、少しずつ運動できるようになっていく。

同じように水泳もしようと思った。だから、少しずつクロールで泳げる距離を増やしていった。こんなふうだ。

50mクロール×10回 50m平泳ぎ×10回 合計1000m

これを何度か繰り返し、調子いいなと思ったときに距離を伸ばす。

50mクロール×15回 50m平泳ぎ×15回 合計1500m

あとは組み合わせと距離をその時々の調子に合わせて増減させる。

50mクロール×20回 50m平泳ぎ×10回 合計1500m

100mクロール×10回 50m平泳ぎ×10回 合計1500m

50mクロール×20回 50m平泳ぎ×20回 合計2000m

100mクロール×10回 100m平泳ぎ×10回 合計2000m

200mクロール×5回 200m平泳ぎ×5回 合計2000m

このあたりから意識的にクロールを増やしていく。

200mクロール×8回 200m平泳ぎ×2回 合計2000m

200mクロール×10回 合計2000m

400mクロール×5回 合計2000m

500mクロール×4回 合計2000m

1000mクロール×2回 合計2000m

そしてこの5月にやっと2kmをクロールで休まずに泳ぐことができるようになった。一年半かかった。でも言いようによっては一年半でできるようになった。

たぶんジョギングの経験がなければ続かなかったのではないかと思う。

距離としてはこのように少しずつ増やしたが、そのあいだにいろいろと学ぶことになる。

ゆっくり泳ぐのに必要だったのは、僕の場合は焦りを手放すことだった。書くと簡単だが、からだが納得するのに時間がかかった。クロールをしているとなぜか一生懸命泳いでしまう。子供の頃に最初に覚えた泳ぎ方がクロールだった。そのせいか、泳いでいる最中に僕の心は子供の頃に戻っていたようだ。

「速く掻かないと溺れてしまう」

こうはっきりと意識していた訳でもないが、からだが反応としてそのようにしてしまう。まっすぐからだを伸ばしていれば沈まないことを知っているのに、反射的にする動作は次第に「必死に掻く」ようになってしまう。気がつくと必死に掻いているので、そうなっていたらゆっくりと掻くことを心がけた。そしてからだのまわりに流れていく水に意識を向けるようになった。実際に水がわかる訳ではないだろうが、イメージとして流れていることを感じることができる。それを感じる。足の掻き方などに無理があると抵抗が生じる。それを感じる。そんなことを繰り返していくうちに楽に泳げるようになった。

でも、今でも時々呼吸が苦しいと感じることがある。そのときには息をたくさん吐いたり、わざと吸う息を少なくしたりして調節する。僕の場合、呼吸が苦しいのは、溺れる恐怖からか、たくさんの空気を吸い過ぎることにある。だから、わざと息を浅くする。そうすると楽になる。

それからプールが混んでいることを利用すること。ゆっくり泳ぐ人のうしろを泳いでいく。このときにゆっくり泳ぐことを学ぶ。ひとりで泳いでいるとつい速く泳ぎがちだ。それで疲れてしまう。ゆっくり泳ぐ人の後ろにつくと、なぜか僕はイラッとしてしまったが、ゆっくり泳ぐことをおかげで学べると思ったときからあまりイラッとしなくて済むようになった。僕より速く泳ぐ人が追いついて来たら、ターンのときに一瞬休んで譲ってあげる。速い人が追いついてくると、つい僕も速く泳ぎたくなるが、それをしていると2kmは泳げない。速い人にはどんどん追い越していってもらおう。目標は速く泳ぐことにある訳ではないのだから。

はじめて2km休まずに泳いだときは驚いた。ずっと1kmずつしか泳げず、2km泳ぐのはずっと先のことだろうと、半ばあきらめていたのだが、ある日1km泳いだがちっとも疲れを感じなかったので、そのまま泳ぎ続けたら2km泳げてしまった。それ以来、1時間に2km休まずに泳ぐのが当たり前になった。その違いは何が原因かよくわからない。きっと楽に泳げるコツをからだが覚えたのだろう。その証拠に、以前より少し速く泳げるようになった。これでオリンピックディスタンスのトライアスロンなら、水泳の距離としてはもう泳げるようになった。バイクの準備をすればそろそろトライアスロン参加も夢ではない。

できればアイアンマンに出たいのだが、年齢による衰えと身体発達の速度と、どちらが勝つのか、いまの僕にはわからないというのが正直なところ。

水泳のとき感じることは

この半年ほど泳いでいるが、泳いでいて変化したことをもうひとつ見つけた。それは何を考えているか、または何を感じているかだ。

以前は泳ぎながら疲れを感じようとしていた。たとえば「肩が痛くなってきたな」とか「息が苦しい」とか、そんなことだ。考えれば考えるほど疲れてくるのかもしれない。感覚は繰り返し感じることを真実だと判断する。半年泳いでそれらのことを感じなくなったわけではない。だけど泳いでいる時間の多くは別のことを考えるようになった。それは「水の圧力」と「速度」だ。

ひと搔きするたびにからだのどこかに余分な圧力がかかってないか感じてみる。もし余分な圧力がかかっていたら、それはもしかしたら泳ぐための抵抗になっている。

水の圧力に注意するのは、特に平泳ぎをしているときだ。平泳ぎでは微妙な足の形や、手と足のタイミングで進む距離がかなり変わる。僕は25mを6〜8回搔くのだが、ぼんやりしているとすぐ8回搔くことになる。搔くときに足にかかる水の圧力に注意しないと、何か抵抗になってしまうらしい。搔いたときの足首の微妙な角度が抵抗になるようだ。だけど、その角度に注意しだすと今度はなかなかいい角度にならず、うまくいかない。しばらくやっていてわかってきたのは、搔き終わったら足首の力を抜くことだ。水流が足首の角度を決めてくれる。それに委ねること。思いつけば当たり前なのかもしれないが、「角度に注意する」と考えると罠にはまる。

手で搔くとき脚も曲げて同時に息を吸う。頭が水に入るとき、脚は搔いて手は伸ばす。このときに手の先に圧力がなるべくかからないようにする。ちょっとの違いで圧力を感じるものだ。頭は両腕の下に入るようにする。そして搔いたあと体を伸ばしてスーッと進む。

うまく足に余計な抵抗を感じずに、足と手のタイミングがバッチリと合って、手の先に圧力を感じず、さらに搔いで伸びきったときの格好がいいと6回搔けば25m泳げる。ときどきもうすぐ5回で到達できるときもあるが、なかなかいまの僕にはそこまでは伸ばせない

クロールの場合は搔いている力と速度の関係を感じてみる。圧力が感じられるのはかなり格好が悪くなったときだ。

たとえばクロールの場合は頭の位置が抵抗になる。それから、足が下がってきても抵抗になる。前方にひとがいなければ、頭は落とし、真下を見ていた方が楽に進む。足が下がったときはゆっくりとバタ足を大きくして足が上がるように注意する。このとき膝を伸ばして足の付け根から大きく搔くことを忘れない。あとは搔いている手を水に入れるときの角度がきっと関係あるのだが、まだどの角度がいいのかよくわからない。しばらくいろいろと試してみる。

こんなことを感じることで、疲れや苦痛を増幅させずに済む。だんだん水泳が楽しくなってきた。