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妄想

インターネットが発達し、あらゆる人たちがインターネットなしでは生きられなくなったとき、インターネットは人間を飼い慣らし始める。

たとえば、コンビニではPOSによって商品の仕入れがコンピューターによって制御され、どの地域の何時頃にどんな商品を入れればいいのかすべて決められている。人間にとってそれは便利だから何の疑問も持たずにその商品を買っているが、ちょっと視点を変えると不思議なことをしているように思える。コンピューターはデータを集め、コンピニに商品を送っているが、それは人間から見ると、人間の利便性を追求した結果そうしているようにしか見えないが、コンピューターが主体性を持っていると考えると、あたかも人間がコンピューターに飼われているようにも見えてくる。POSシステムは人格を持っているようには見えないから、なかなかそのようには考えられないが、もし同じことをロボットがしていたらどう感じるだろう?

将来的にはインターネットにいかに有効なデータを送る人であるかによって、その人の地位が保証されるようになるのではないか。人はただ便利だから使うのだが、人の文化とは切り離された宇宙人のような存在がその様を見れば、あたかも人間はインターネットというコンピューターのつながりに飼われているのだ。

人間はバイオスフィア(生命圏)から生まれた。バイオスフィアは遺伝子という複製子が安定に、複雑に存在できるように組み上がった。人間の作るヌースフィア(人智圏)は言葉という複製子が、安定に、複雑になるように組み上がる。そしてヌースフィアはバイオスフィアから生まれたのにもかかわらず、バイオスフィアをマネージし始める。畑を耕し、牧畜をし、魚を養殖する。バイオスフィアが存在しないと生きていけないのに、そのバイオスフィアから搾取する。

同じ構造がインターネットによってもたらされるサイバースフィア(電脳圏)にも生まれてくる。サイバースフィアはヌースフィアがないと存在できない。しかし、ヌースフィアを搾取し始める。蜂がせっせとハチミツを作っても、人間が搾取していることに気づけないように、サイバースフィアの搾取は人間個人の理解では計り知れない広大な領域にわたるので、誰もそれを指摘できない。

そんな日が来るのではないか?

人はインターネットにしがみつく。それがないと生きていけないから。そして知らないうちに搾取される。蜂や魚や動物や植物が人間に搾取されるのと同様、様々な階層の人間が様々なレベルで、様々な方法で搾取される。しかし、その搾取に誰も気づけない。きっと気づける程度の搾取はたいした問題ではない。

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