食べるラー油

ご飯と一緒に食べるためのラー油が流行っている。先日新江古田の白龍トマト館に行ったら、ママさんが六種類のラー油を取り寄せて味をくらべ研究していたので僕も食べさせてもらった。

ちょっとずつご飯に垂らして食べたが、どれもさほど辛くない。ブランドによっては甘く感じるものもある。香りが微妙に違うので、ついあれもこれもと食べ、お茶碗一杯のご飯はあっという間になくなった。

六種類を食べ終わると、どれもさほど辛くないと思っていたのだが、頭から汗が流れ落ちてきた。ハンカチを出して拭いたが、拭いても拭いても流れてくる。きっとからだはその辛さを検知していたのだろう。

しかし、ご飯をラー油だけで食べるのはからだにはあまりよくないだろう。カロリーの取りすぎになる。このあとしばらくお腹がもたれた。若い頃にはきっと平気だっただろう。ラー油くらい簡単に消化してしまう胃液が欲しい。

高校生の頃、上井草駅のそばにあった中華料理店「いぐさ」によく行った。そこではラー油を自家製で作っていた。大きな中華鍋でごま油を熱し、唐辛子や胡麻を入れて作っていた。高校では僕は吹奏楽部だった。その部の伝統で、いぐさのもやしそばに驚くほど大量のラー油を入れて食べさせられた。最初は辛くて涙を流しながら食べたが、しばらくすると慣れてしまった。あのときのラー油入りもやしそばはもう食べられないだろうな。僕のからだがもたないし、そこの主人は10年以上前に亡くなった。

自称皇帝

1859年から1880年まで、サンフランシスコに『合衆国皇帝にしてメキシコの庇護者ノートン1世』と自称する変わり者がいた。1858年に事業に失敗し、破産を宣告されおかしくなったようだが、当時のサンフランシスコの人びとの多くは、その彼を非常に愛していたようだ。なぜなら1880年の彼の葬儀に3万の人びとが垣をなし、棺に続く葬列は2マイルにたっしたというのだから。

たまたまウィキペディアでその変わり者ジョシュア・エイブラハム・ノートンの記事を見つけた。とても興味を持った。精神疾患を患っていたようであるが、時々勅令をサンフランシスコの新聞に掲載していたという。ベイブリッジの建設を指示したり、国際連盟の設立を指示したりしている。もちろん、彼の指示では事は動かなかったが、後年実現していく。つまり、ノートンは社会が必要としていたことをきちんと知っていたと言うことになるだろう。

そんな彼はあまりにも人気があったため、最高級のレストランには「合衆国皇帝ノートン1世陛下御用達」と刻んだプレートが掲げられたそうだ。どうも彼はただで食事をしていたようだ。仕事がないので非常な貧乏だったという。あるとき食堂車で食事をしたら、料金を請求されたので、皇帝は勅令として営業停止命令を出したという。すると多くの市民が皇帝を支持したため、鉄道会社はあわてて終身無料パスを発行し、許しを請うたという。

少額の負債のために独自に紙幣を発行したりしたが、それはサンフランシスコ界隈では実際に流通し、50セントから5ドルという紙幣だったが、今ではオークションで1000ドルの価値がつくという。サンフランシスコ市は当時、皇帝の服が古くなると敬意を表し新調したそうだ。

この人に関する本があるなら読んでみたい。ほかにもたくさんの逸話があるので、興味のある方はウィキペディア「ジョシュア・ノートン」の項目を読んでみてください。

ウィキペディア「ジョシュア・ノートン」

日本の即身佛 1

『日本の即身佛』(佐野文哉・内藤正敏共著 光風社書店刊 昭和44年発行)という本を読んでいる。とても面白いので覚書。少々残酷なのでそのような話が苦手な人は読まないこと。

ミイラというものは簡単にできるものだ。

ex.胎児のミイラ化現象がしばしば見られる。紙様胎児というものがある。双生児の一人が死亡し、水分が生児に吸い取られ、ついには組織まで吸収され押しつぶされ、一片の紙のごとくになって生児と一緒に排出される。

自然に出来るミイラは高温乾燥している場所で風通しの良い場合、または寒冷で乾燥した洞窟内などによくできる。

日本のような温暖多湿の国では自然にミイラはできにくい。しかし、明治以降でも数体の自然ミイラが発見されている。

ミイラとよく間違えられるのは屍蠟。屍体組織の化学変化によって出来る。屍体が水中、もしくは多湿な土中に置かれ、しかも空気の供給がほとんどないとできる。皮膚表面が蠟のように固まるので屍蠟と呼ばれる。

土中に埋葬されたものの、数十年、数百年して掘り出したら、皮膚もそのまま、内臓もそのまま、少しの腐敗もすることなく出てくることがたまにある。屍体が氷りづけにされるとそうなるが、それ以外にも起きる場合がある。これを軟体屍と呼ぶ。屍蠟でもなく、ミイラでもない永久保存屍体ということで法医学では「第三永久保存屍体」と呼ぶ。法医学の権威、古畑種基博士が命名した。

ミイラと言えばエジプトが有名だが、それ以外にも世界中にある。

“日本の即身佛 1” の続きを読む