水の音

波の音、ザブン

雨の音、ザー

滝の音、ドーッ

みんなおんなじ水の音

鼓動の音、トクトク

わたしのなかに、トクトク

あなたのなかに、トクトク

地球の上の 誰の胸にも、トクトク

トクトクも、実はやっぱり水の音

あなたの心が揺れるとき

わたしの心に波紋が広がる

みんなおんなじ水だから

あなたの耳に懐かしい

やさしいきれいな水の音

心の底から湧き出るように

あなたのために祈ります

母さんからいただいた、トクトク

父さんからいただいた、トクトク

いつまでも安らかに続きますように

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この詩「水の音」は2004年8月14日、NPO法人ピース・キッズ・サッカーの主催する大会に参加するため、イスラエルとパレスチナから来た子供たちの歓迎会で朗読したものです。

それぞれの節で日本語、ヘブライ語、アラビア語で輪唱のようにして朗読されました。

ヘブライ語訳を福地パウロさん、アラビア語訳を高橋友佳理さんにしていただきました。

当時のイスラエル大使エリ・コーヘン氏や駐日パレスチナ総代表部代表のワリド・シアム氏にもご臨席いただきました。

世界が平和であるよう祈ります。

2008/12/12

テキストマガジン「ひとつ」で連載開始

地湧社のテキストマガジン「ひとつ」で連載を始めます。
テーマは「オメガポイント」。
ほかには創刊号に「千と千尋の神隠し」のテーマ曲「いつも何度でも」の作詞をした覚 和歌子さんのインタビュー記事が掲載されます。
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過去からの贈り物

雨に打たれ 風に吹かれ

日にさらされた石柱よ

緑に包まれ優しく眠れ

 

季節が変わり 風が変わり

時代が移り変わっても

動かぬあなたを僕は見つめる

 

何千年もの昔から

月を愛でるあなたから

僕の心に手紙が届く

 

「命の編み目はさらに尊し」

 

僕の父の母の父の母の父の父の母

そのまた母の父の母の母の父の父の父

ずっと続いた先祖の父が

この石柱を きっと作った

 

無限に続いた父と母の編み目の中で

たった一カ所ほころんでいたら

今の僕はここにいない

 

何千年もの昔から 時を旅する石柱よ

僕らを見守れ

どこまでも続く命の編み目に

いつまでも絶えることのない

祝福の歌を奏でよ

 

——–

この詩はかつて「Aka-chic」というA4版で作ったプロモートマガジンの創刊号に掲載したものです。「Aka-chic」には田口ランディさん、テラウチマサトさん、谷崎テトラさんなどに寄稿していただきました。

アイルランドに行き、スライゴーでイェイツの墓参りをし、カウロウモア巨石遺跡群を見た晩に書きました。すらすらと詩ができたので「言葉が降りる」というのはこういうことなんだなと思いました。