北極点無補給単独徒歩到達

タイトルが漢字ばかりでちょっと意味がよくわからないかもしれませんが、噛み砕くと「たったひとりで、途中で誰にも会わず、物資も補給せずに歩いて北極点に到達する」ということです。それをいままでにした人は世界で3人だけだそうです。四人目になろうという日本人がいるのです。彼の名は荻田泰永。甲冑パンツの野木志郎さんの紹介で話を聞かせてもらいました。

荻田さんの計画はこのようなものです。カナダ最北端の陸地から、直線距離で800kmある北極点まで、ソリを引いて約60日かけて歩くのだそうです。カナダ側からはまだひとりしか成功していないそうです。あとのふたりはロシア側から行ったと言うことでしょう。

そんなこと無謀ではないかと思うのですが、荻田さんは過去に10回ほど北極に行き、経験を積んだそうです。いままでの経験は以下の通り。

2000年 冒険家大葉満郎氏の企画した「北磁極をめざす冒険ウォーク2000」に参加。カナダ北極圏レゾリュートから北磁極への700km徒歩行を経験。

2001年 レゾリュートでの北極トレーニング。一ヶ月滞在。

2002年 レゾリュートからカナダ最北の集落グリスフィヨルドまで500km単独歩行。

2003年 3〜4月。カナダ北極圏ビクトリア島徒歩歩行。

2003年 7〜8月。カナダ北極圏夏のツンドラトレッキング。野生動物の観察などをおこなう。

2004年 国際犬ぞり隊に参加。グリーンランド内陸氷床2000km犬ぞり縦断行。

2006年 カナダ北極圏偵察行。翌年の旅に向けての情報収集。イヌイットとの交流。

2007年 カナダ北極圏レゾリュートからケンブリッジベイへの1000km単独歩行。

2008年 カナダ北極圏夏のツンドラトレッキング。野生動物の観察。イヌイットとの交流。

2010年 北磁極無補給単独徒歩到達。10年前にはじめて歩いたルートを無補給単独で歩き、10年前との比較のための環境調査をおこなう。

北磁極とは北半球で磁力線が鉛直になっている地点のことをいいます。北極点と北磁極は離れており、北磁極は常に移動しています。20世紀中に1100キロも移動しているのです。現在は次第に北極点に近づきつつあります。

PCで写真を見せてもらいながら話を聞いたのですが、一番印象に残ったのが、衣服の話。-40度のなかを歩くのに、信じられないほど薄着なのです。シャツ二枚とゴアテックスのような服だけ。しかもスキーウェアのように羽毛などで覆われた物ではなく、さほど厚くないものだそうです。130kgほどもあるソリを引くので、体温が上がり、汗をかくのだそうですが、厚着しているとその汗が凍り、凍傷になるので、あまり汗をかかないように薄着にするのだそうです。湿度が高いと-40度は大変だそうですが、湿度が低いと凍傷などにもなりにくいのだとか。サウナも湿度が高いと暑く感じるけど、低いとあまり暑く感じないのと同じかなと思いました。

それから面白かったのがシロクマと出会ったときの対処。一応許可をもらって猟銃を持っていき、危険なときは威嚇射撃をするのだそうですが、多くの場合は銃を使わずに追い払うそうです。どのようにするかというと、遠くから近づいてきたシロクマとはまず睨み合うそうです。ずっと睨み合っていると威嚇していると思われるので、しばらくすると視線をはずすそうです。ちょっとまわりを見ていると、シロクマも視線をはずし、しばらくするとシロクマは「関係ないかな」という感じで離れていこうとするそうです。相手がこちらに背を向けたら、追いかけます。シロクマは後ろから追いかけられると逃げ出す習性を持っているとのこと。そのときの語り口がとても可笑しかったです。機会があったら荻田さんの話を直接聞いてみてください。

そして、さらに驚いたのが、この写真。

なんだと思います? シロクマのおしっこが凍った物だそうです。おしっこをするとそのまま凍るのではないそうです。ではどうなればこのように凍るのか?

正解を知りたい方は荻田さんの講演を聞いてみてください。アザラシの穴とシロクマの話も面白かった。

このところ年々、北極圏は小さくなっているそうです。北極なのに氷が薄くなって、下の海水が見えるようなところが増えているとか。早く北極点無補給単独歩行をおこなわないと、何年かしたら完全に不可能になってしまうかもしれません。荻田さんはスポンサーを探しています。この冒険を達成することで次世代を担う子供たちに夢を与え、一般の人々にはあまりにも急激な気候変動の実態を伝えるそうです。ぜひ、このことを多くの人に伝え、2012年3月にこの冒険が可能になるように支援してください。

荻田さんのホームページはこちらにあります。

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