オウム真理教の信者と一緒

311以前に、いま現実に起きていることをSFとして読まされたら、そんなこと起きるわけないだろうと作者に突っ返しただろうな。

だって、原発事故を起こして、周辺住民は継続的に放射性物質を浴びているのに、それでも原発を継続発展させようとして、海外に輸出までしようとして、そのようなことをしている政権を日本人は支持しているんだよ。

新しい常識はまったく理解不能だ。

経済三団体は被曝してもその症状が出るのは数%だから問題にせず原発を作り続けようと言っているようなものだし、政府はこんな状況でも景気が良くなるためには「放射性物質の多少の摂取はかえってからだにいいんじゃないの」と言いたいがごとくの行動をしている。

311以前にSFで読まされていたら、そんなこと起こるわけがないときっと誰もが思っただろう。ところが、実際にはそんな状況を受け入れている。

核廃棄物が増え続けても景気のためなら我慢するし、将来的に核爆弾を作る必要性が生まれるから原発を廃止しようとはしないし、食べ物に多少の放射性物質が入っていても、気にしなければ平気と多くの人が思っている。

これ以上の洗脳状態があるだろうか? オウム真理教の信者たちを馬鹿にできなくなってきた。

「仕方ないからがまんしている」というのはすでに洗脳されているのと同じだよ。

森達也さんがオウム真理教のドキュメンタリー『A』をベルリン国際映画祭で上映したとき、ドイツの観客から「これは本当にドキュメンタリーか?」と質問されました。そしてこう続けます。

「オウムの信者はもちろん、この作品に登場するメディアも、警察も、一般の市民も皆、リアルな存在にはどうしても見えない。まるであらかじめ台本を手渡されてロールプレイングをやっているとしか私には思えない。これが本当に実在する人たちなら、日本という国はそうとうに奇妙だと思う。要するにフェイクな国だ」

これに対して森さんはこう答えました。
「この作品に登場するオウムにも警察にもマスメディアにも、とにかくほとんどの日本人に共通するメンタリティがあります。共同体に帰属することで、思考や他者に対しての想像力を停止してしまうことです。その危険さを僕は描いたつもりです。組織への帰属意識や従属度は日本人に突出して強い傾向だと思うし、傍から見ればもしかしたらフェイクにしか見えないのかもしれないけれど、ドイツ人にはそんなメンタリティはないと本当に言えるのでしょうか?」

日本全体がいま思考停止状態に陥っていませんか? 僕のまわりにはそういう人は少ないけれど、選挙の結果だけを見るとほとんどの人はこの状態のように思える。

「ほかにいい政党がないから仕方ないので・・・」

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