橋本大二郎さんと語り合うセミナー

ピース・フィールド・ジャパンが主催しているPFJカフェで『橋本大二郎さんと語り合うセミナー』がおこなわれたので参加してきました。以下が要約です。

エジプトの政変をテレビ、アルジャジーラ英語版、ツイッターなどで追っかけた。かつてソ連が崩壊したときには衛星放送が流れ込むことで東ヨーロッパが崩壊したという。秘密警察が衛星放送用のパラボラを探したが、すべてを見つけることはできなかった。その結果、ソ連も崩壊する。同じようなことが新しいメディアであるtwitterやfacebookによって起こされつつある。

かつての社会構造はヒエラルキーだった。ホストコンピューターのようなところが存在し、そこが傘下の組織に情報を回した。いまはインターネットのようにフラットにつながるようになった。国もホストのような国がなくなり、みんなそれぞれに繋がり合うようになってきた。ヒエラルキーの頃の産業構造を維持していたのでは、もううまくいかなくなっている。これからは地球全体で分業できるように日本の産業構造や意識を変えていかなければならない。

日本と世界の意識の差は、特に防衛に関して顕著だと思う。トルコの遺跡を発掘した大村幸弘先生は、アンカラ大学に留学中、校内で銃声を聞いたそうだ。大村先生は様子をうかがいまわりを見回すと、自分以外の学生は全員机の下に隠れていたという。このとき、大村先生は日本人と他の学生との意識の違いを感じたという。この違いは古い遺跡の状態にも表れている。バビロニア、ヒッタイト、アッシリアと古い都市の上に新しい都市が造られ、それが層状に埋まっていたという。つまり、前の都市を略奪しきってから、その上に新しい都市を造ったのだ。だから都市や自分自身を守る意識が全く違う。英語には虐殺を表現する言葉がたくさんある。それが西洋文明にとってとても大切な概念だったことをうかがわせる。日本人は性善説に基づいて物事を考えるが、西洋の人たちは性悪説に基づいて考える理由ではないか。西洋と日本では契約書の厚さが違うこともそれを裏付ける。

そんな日本だからこそ、多民族国家になるべきではないか。世界のスタンダードを教えてもらいながら、日本の常識を来た人に教えるべきではないか。

40分ほどのお話しだったので、これだけではもちろんないのだが、要約するとこんな感じです。

お話を聞いていてなるほどなと思う点があったので忘れないように書いておく。

政治家の仕事とは何か

かつての政治家は大局を見ていろんなことを決めた。それは極論すれば、大局だけ見ていればいい状況がそろっていたからではないか。つまり、あまり細かいことは考えず、そのようなことについては官僚や一般民衆に考えてもらうことができたし、そのことを信頼できたのではないか。僕は政治に関してそんなに詳しくはないので断言はできないが、そういう土壌があったのだと思う。最近の政治家はメディアに出ることで、非常に些末なことまでも詳しく知っていなければならなくなってしまった。それでは政治家は効果的に動けないのではないか? ひとりの人間があることに関して知識を持つには限界がある。特に政治のような多岐にわたる知識はなおさらだろう。すべての知識を持たなければならないと政治家に求めるのは無理がある。国民がもし政治をうまく進めたいと望むのなら、全能の政治家を求めるのではなく、大局観のある政治家に大雑把な方向性を決めてもらい、のちの些末な事項に関しては、民間に任せてもらうというやり方をしない限りうまくいかないだろう。ところが、いまの政治家に対しての一般やメディアの視点は、狭小な問題について質問し、それに答えられなければ能力がないと見なすような状態になっているのではないか。そうすることで、大局観という、はたから見て判断しにくい能力を疎かにしている可能性がある。

新しい産業構造とは何か

社会の仕組みが変わりつつあり、産業構造も変わるのだろうという想像はつく。しかし、それがどのように変わっていくかについての具体的な知識がない。すでにあるなら教えてほしい。トフラーの第三の波以来、知識のあるところに富が集まるといわれた。それはよくわかるが、知識自体が現在は分散化しつつある。それをいかに集約化するかが問題であると言う人もいるが、それはどうだかわからないと僕は思う。なぜなら、知識を分散化するためにインターネットが存在し、それによって集約だけでは済まなくなってきているからだ。

労働賃金の安いところに産業が移動していくというのは、もちろんあるだろう。しかし、その結果、知識は産業が移動していったところにばらまかれる。そこで新しい知識が生まれてくる。そこに新しい産業が根付き、発達する状態になって、ほかの賃金の安い場所へと移行していく。これを続けていけば、いろんな地域が活性化して地球全体という視点に立てばいいことである。その結果、何十年か、何百年か後には、世界はいまよりさらに均質化されていくだろう。その頃に地球全体がいいバランスになっていればいいのかもしれない。いまはその過渡期であり、過渡期にはいろんな問題が生まれるのは仕方のないことと思っていればいいのかもしれない。しかし、それで済む人はいいが、淘汰されてしまうような人はどうすればいいのだろうか? さらに、ある地域に視点を限ったとき、そこにうまれる問題をどう解決すればいいのか。

最終的に行き着く産業構造をある程度予測して、いまの状況では何がもっともいい状態かを考えることができないと、うまく時代の変化に対応できない。産業構造についても、この10年程度だけを考えていたのでは、この先問題が次から次へと生まれてくるばかりになってしまうだろう。かといって、新しい発明発見が激しく起こる現代では、ずっと先の予想が立てにくいことも確かだ。

日本はどのように多民族化していくのか

まず、多民族化できるほど日本がいい状態を保てるかどうかが問題だが、それを乗り越えて多民族化できると考えた上で、日本はどうしたらいいのか。まずは信頼できる政治家を育てる必要がある。そのためには一般の民衆が政治に対しての深い洞察力を持たなければならない。それは簡単な言葉で表現できるようなものではなく、長い時間の観察を経た上で得られる知恵のようなものでなければならない。そのためには、簡単な煽動文句に乗せられるのではなく、ある政治家がどの程度深く物事を見て判断するのか、そこを観察していかなければならない。「ああ言ったから」「こう言ったから」という、簡単な一言を判断の基準にするのではなく、普段からの言行を観察した上での判断が求められるだろう。政治を良くしたいと望むのであれば、自分がきちんと学ぶべきことを学ぶしかないと思った。

そうやって信頼できる政治家が現れたとして、その上で、日本の指針をその人から発してもらうしかないだろう。そうでないなら、いろんな意見が行き交うばかりで、全体の動きとして定着していかないのではないか。

多民族化はすでに始まっている。このまま野放しにしていけば、日本の文化が失われるばかりではなく、住みにくい国にもなっていくだろう。そうなる前に、日本がどうあるべきか、多くの人が討論し、考えていかなければならないだろう。

こう考えていくと、未来市場創造会のような活動が、全国各地、いろんな組織でなされるのがいいのだと思う。

橋本大二郎公式サイト

認定特定非営利活動法人ピース・フィールド・ジャパン

未来市場創造会Blog

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