Oct

19

でんぐりでんぐり

だまし絵が有名なエッシャーの作品に
「でんぐりでんぐり(Curl-Up)」がある。
六本の足を持つ細長い昆虫のような
姿をしている。
しかし、足がいかにも
人間の足のような形をしているため
人間が作ったフィギュアのようにも見える。
普段は足で歩くようだが、
平面上を素早く移動するときには丸まって、
飛び出た目が車軸のようになり、
体全体が車輪のようになって
転がり走っていく。
この不思議な生き物の
デザインをした絵に、
この生物の特徴を書き、
おそらくその後に「階段の家」
という作品を描いている。
エッシャーの作品を
描いた年代順に並べていくと、
この「階段の家」が
特徴的な騙し絵の
最初の作品のようだ。
それ以前にも「別世界」「上と下」
「描く手」など、
騙し絵的な要素を含む絵を
描いてはいるが、
立体的視点によって生まれる
空間的歪みをうまく取り込み
鑑賞している者の視点を
鮮やかに惑わせる「上昇と下降」
「滝」のような作品のきっかけとなっている。
エッシャーはきっと
「でんぐりでんぐり」の
不思議な可愛さに自ら取り込まれ
その可愛さを表現しようとして
「階段の家」を描いてしまったように思われる。
もちろんそれまでの作品に
騙し絵の萌芽がチラチラと見られるが
この可愛さに取り込まれた結果
あの洗練された「滝」のような
騙し絵が生まれたのだとすると、
「でんぐりでんぐり」の
不思議な可愛さというものは、
エッシャーの創作を飛躍させた点で
もっと評価されるべき存在だといえる。
しかし、その「でんぐりでんぐり」も
エッシャーの創作によるものだから、
「エッシャーの創作を飛躍させた存在」
として認めるべきかどうかは
難しい問題を含んでいる。
「エッシャーが作った存在」を
「エッシャーの創作を飛躍させた存在」として
認めるべきか否か。
ここにもまた
エッシャーの騙し絵のような構造が
浮かび上がって来る。

Oct

18

奇跡を思い出す

普段目にしているあらゆることが
実は不思議な力で営まれていることを思い出す。
あまりにもそのことに慣れてしまって、
それが凄いことだとは思えない
自分の心をかえりみる。
どこまでも続く菜の花畑。
なぜみんな同じ形になれるのだろう?
青空に浮かぶ雲。
なぜみんな違う形なんだろう?
言い合う言葉。
どうやって言葉が生まれたんだろう?
見上げる星空。
宇宙ってどうしてできたんだろう?
そういう物事に支えられて
生きている僕。

Oct

17

スマホからfacebookをはずす

本を読む人たちの間で
流行りつつあること。
それがスマホからfacebookを
はずすことなんだそうだ。
僕はもともとスマホのfacebookは
あまり見ないので
はずそうとはずすまいと
あまり関係ないけど、
そんなことが静かに
流行っているのが面白い。
みなさん電車の中ではスマホを
見ていますからね。
本を読みたい人がfacebookに
引き込まれないようにする
対抗手段らしい。
僕はたいてい文庫本を読んでいる。
文庫本を読んでいる人が
近くに何人かいると
勝手に同志に思えてくる。(笑)

Oct

16

不快なことを認める

いろんなことを「不快だな」と思いながらもやる。
それが「不快」だと考えるのは嫌だけど仕方ない。
「不快」は「不快」。
でも「不快」のままやっているとうまくできない。
「不快」がやっていることに表現される。
表現されずに済ますためには
どうも自分が「不快」であることを
認めなければならないようだ。

Oct

13

瀬戸内のスダチ

スダチを買ってきた。
レモンほど酸っぱくない。
ライムのように香りがない。
小さいのでジュースをたくさんは取れない。
こういうハンデを背負っているが、僕は好き。
どっちつかずな感じが日本的でいい。
繊細な味覚と嗅覚を必要とするともいえる。
ライムの代わりにテキーラとシェイクして
マルガリータにする。
ライムは一個で充分だけど、
スダチで作る場合は一杯に三個ほど使う。
和的なマルガリータだから
そのカクテルの名前は「真珠子」かな。
マルガリータはスペインの女性の名前、
その語源はギリシャにあり、
真珠(margarite)なのだそうだ。

Oct

11

瀬戸内海

湖のように静かな海を見てきた。
船が通ると波が立つ。
船が来ないとさざ波が行き来するのみ。
さざ波同士の干渉で
海面に模様が生まれる。
見渡せる島々は近くのものが緑、
遠くのものは灰色、
夕暮れになると黒く浮き上がる。
朝日に照らされて
チラチラと輝く海面も
うっとりとさせてくれた。

Oct

10

三諸杉(みむろすぎ)

大きな荷物を持って三輪駅に降り立った。
大神神社に参拝に来た。
駅にきっとコインロッカーくらいあるだろうと
思っていたのだが甘かった。
小さな無人駅で駅前に立ってもほとんどなにもない。
困ったので目の前にあった小さなお店に入る。
「蔵本三諸杉」とか「日本酒アイス」
などという幟が上がっているので
きっとお酒を売っているのだろう。
ひとりだけいた店員さんに
「どこか荷物を預けるような場所が
 この近辺にありませんか?」
と聞くと、
「うちで預かりますよ」とのこと。
助かりました。
その後、大神神社に参拝し、
夕方戻ってくると
店員さんが別の人になっていた。
話を聞くと、
地元の造り酒屋とのこと。
三輪山のことを三諸山とも呼び、
その名を借りてお酒の名前とし
「三諸杉」と名付けたそうです。
杉には神様が宿ると信じられていたので。
かつては大神神社のそばに
三軒の酒蔵があったが、
いまは「三諸杉」を造っている
今西酒造だけになったそうです。
仕込み水もお米も三輪産とか。
神社にはお酒がつきもの。
大神神社に参拝の際には
また三諸杉を飲みたい。

Oct

4

Note Book

本屋に行ったら
モレスキンに似たノートが売られていた。
手に取ると日本出版販売、
つまり日販が作ったノートだった。
見た目はモレスキンにそっくりだが
価格が500円。
モレスキンの四分の一だ。
品名はNote Book。
そのままだ。
ブラント名としてHmmm!?という
意味不明な印がある。
いろんな色のがあったが、
鮮やかなオレンジ色のを買って帰る。
開くと確かに方眼罫のノートブック。
モレスキンと違いポケットがない。
価格が四分の一だから当然だろう。
使い心地はどうなのか?
いま使っているモレスキンが
終わってから使うつもり。

Oct

3

うまくいかないことを受け入れる

うまくいかないことを受け入れるなんて
あまり気持ちのいいものではないと
普通は思う。
でも、うまくいかないことは
実はたくさんある。
歳を取るとさらにそれが
わかるようになってくる。
それをくよくよしても仕方ない。
うまくいったかのように装っても
意味がない。
努力は大切。
でもね。

Oct

2

ミキサーとジューサー

うちにあるミキサーはかつて母が買ったもの。
何十年使っているのかよくわからない。
僕が幼い頃にはあったから
もう五十年近く使っているはず。
料理によく使っていた。
一緒にジューサーもあった。
果物を入れると繊維とジュースを
分けて出してくれた。
そちらはいつの間にか故障した。
いまはもう手元にない。
よくリンゴジュースを作ってもらった。
このリンゴジュースを思い出したら、
V8という野菜ジュースを思い出した。
トマトジュースでさえ嫌いなのに、
八種類の野菜が入っていて
トマトジュースをさらに濃厚にしたような味だった。
僕はとても飲めなかったけど、
親父はからだにいいからと飲んでいた。