10月

31

水泡

水に潜って、泡がプクプクと浮いていくのを見るのが楽しい。
空気中でもああいう泡がポコポコッと浮いていけばいいのにと思った。
気持ちいいものを想像していると、ときどき不思議なイメージを見る。

10月

30

地球は生きている

ナショナルジオグラフィックにこんな記事が掲載された。
「地球深部で起きる炭素循環を解明、驚きの事実」
地球に炭素が引き込まれ、内部に炭素がたくさん存在するのは理解できるとして、その炭素を岩石に変化させるとき、高圧化でメタンが発生するという。
そのメタンを利用して最初の生命が生まれたのではないかという仮説について書かれている。
詳しいことはあまり書かれてないので詳細はわからないが、もし本当なら面白い。
僕たちにとって「生き物」と「生き物でないもの」との区別ははっきりとしているが、実はその区別はとても曖昧で、星の規模になるともうそれは「物の塊」ではなく「命の端緒」なのかもしれない。
「もの」と「いのち」の区別がナンセンスという時代が来るのかもしれない。

10月

29

網戸の掃除

もう今年は網戸をほとんど使わないだろうと思い掃除した。
ほこりがたっぷり詰まっていた。
1年でこんなに詰まるんだ。
でも、窓によって詰まる窓とそうでない窓がある。
違いは何か?
これで来年も気持ちよく使える。

10月

28

流れ行くこと

僕たちは宇宙空間をもの凄い勢いで移動している。
ただ、まわりのものが一緒に移動しているので、それに気付かない。
そのおかげで静かにいられる。
この静けさは、つまり幻だ。
まぼろしが幻であり続けるためにはそれ相当の努力が必要となる。
僕のまわりにあるものすべて、その幻を生み出すために一緒に働いている。
スリルのある幻を一緒に生み出してくれてありがとう。

10月

26

犬を飼う

ほんの数ヶ月だけ犬を飼っていたことがある。
しかし、その犬は数ヶ月後に死んでしまった。
その悲しみたるや、筆舌に尽くし難く。
以来、犬を飼うことを一切考えなくなった。
いま思えば、飼っていた時は楽しかったのだ。
失った悲しみが目を曇らせている。

10月

25

宅配のお兄さん

週に一度、宅配のお兄さんが荷物を持ってやってくる。
今日は、この土砂降りのなかやってきてくれた。
カッパを着込んでフードをかぶり、びしょびしょになりながら。
荷物をおろして「ありがとうございました」と言って帰ろうとするところ、うちにあったキャラメルを一粒、「もしよかったら」と言って上げた。
たった一粒のキャラメルだ。
土砂降りのなか、荷物を持ってやってくる苦労にはまったく見合ってないので恥ずかしいなと思ったが、うちにはそんなものしかなかった。
するとその青年は「ありがとうございます」と、元気な明るい声でお礼を言ってくれた。

10月

24

終えること

懸案だったことに終止符を打ち、次の仕事に向かうとき、エネルギーが湧いてくる。
だから終わりを宣言するのは大切なこと。
一段落つけたら、些細な儀式をおこなう。
美味しいものを食べるのでも、酒を飲むのでも、ガッツポーズをするのでもいい。

10月

23

真実を語ること

現代は真実を語りにくくなってしまった。
マスメディアは政府に忖度する。
ネットもシレっと規制される。
何が秘密か知らされないのに、秘密を暴露すると処罰されるという。
変な世の中だ。
それでも真実を語ろう。
語らないとさらに語れなくなる。

10月

22

どこでもドア

「いますぐ会いたいね」というとき、どこでもドアがあるといいなと思う。
その代わり、通信状況が良ければ、いまは簡単にテレビ電話が通じる。
スマホがあって、共通のフォーマットがあればOK。
便利だなぁ。

10月

20

別人になる

「気持ちいいもの」がなかなか思い浮かばないとき、いままで書いた「気持ちいいもの」を読みなおすことがある。
そして気付く。
書いたときには気持ちよかったことが、いまはちっとも気持ちよくないことを。
読みなおすことでそのときの感覚を思い出すが、なかには思い出せないものもある。
いったいどうしたことだろう?
きっと僕のなかにはたくさんの別人がいるのだろう。

10月

19

共通の悩み

昨日の「気持ちいいもの」を書くのに、「麦茶ポット」をなんと呼べばいいかわからなかった。
そこで適当に検索して「麦茶ポット」の名称は何かを探す。
するといろんな名前が出てきた。
麦茶ポット
冷水筒
サーバー
ジャグ
ドリンクサーバー
冷水ポット
ピッチャー
カラフェ
みんななんと呼べばいいのか悩んでいるんだなぁ。

10月

18

アイスティー

急須にティースプーン10杯分の紅茶を入れてお湯を注ぎ、しばらくじっと待つ。
普段、急須にティースプーン10杯分の紅茶なんて入れないから、母の笑い話を思い出す。
母が幼い頃、お客様が来て、祖父が母にお茶を出すように頼んだ。
母はまだお茶を出したことがなく、見よう見まねで出してみた。
茶葉を急須に入れ過ぎて、お湯を注いだら茶葉が膨らみ、急須の蓋を持ち上げ、あわてて蓋を押さえて出したそうだ。
どんなお茶になったのやら。w
紅茶が濃く出た頃を見計らって、麦茶ポットに入れられるだけの氷を入れたところに注ぎ入れる。
カチャカチャカチャと氷が溶けたりぶつかったりする音を聞きながら、すっかり紅茶を出し切ればできあがり。
母さんあの世で元気かな。

10月

17

あなたを選んでくれるもの

友人を偲ぶ会の準備をしていて、些細な問題が起きた。
同時に、相談事があってどう解決していいかわからない。
書かなければならない原稿が締切を過ぎてしまった。
煮詰まった。
何をどうすればいいのかよくわからない。
そこで、逃避をした。
ミランダ・ジュライの『あなたを選んでくれるもの』を読んだ。
少し前に買って、部屋の片隅に積んでおいた本の一冊。
なぜこの本を選んだのかはわからない。
これが良さそうという匂いがした。
昼食のあと、喫茶店で読んだ。
三時間ほどで読み切った。
何に引き込まれたのか、明確には書けない。
だけどとても引き込まれた。
この本一冊が逃避の話だった。
映画の脚本を書いていたミランダは、もうほぼ完成という段階で逃避をする。
はじめはネットをサーフィンして時間をつぶすが、あるときポストに入っていたフリーペーパーを読みだす。
そこには「こんなものを売ります」という広告が出ている。
そういう広告を出している人に連絡を付け、会ってインタビューを始める。
映画のネタ集めと称しての逃避。
ミランダが想像していなかったいろんな人と出会う。
何人かに会い、これでインタビューはもうやめようと思って会った最後の人。
その人に執筆していた映画へ出演してもらうことになる。
訳もわからず感動した。
喫茶店でウルウルするのを我慢した。
読み終わってウチに帰ると、問題と思っていたことはたいしたものではなくなっていた。

10月

16

大切な秘密について

「この世界のさらにいくつもの片隅に」という新作アニメの予告編にこんな言葉がでできた。

死んだら心の底の秘密も、な〜も消えてなかったことになる。
それはそれで贅沢なことなんかもしれんよ。

なんかいいなと思った。

10月

15

お豆腐屋さん

昔、夕方になるとお豆腐屋さんが、自転車に乗ってやってきた。
「トーフ〜、トーフ」と聞こえる笛を吹きながら。
母はその笛が聞こえるとあわててボウルを抱えて化粧も気にせず外に出る。
「お豆腐屋さん、お豆腐屋さん」
お豆腐屋さんは自転車を押して歩いているからちゃんとつかまる。
「豆腐一丁お願い」
「あいよ」
荷台に乗せた大きな木の箱を開けると、そこにはたっぷり水が張られていて、中で豆腐がゆらゆらと揺れていた。
豆腐屋さんは一丁すくいあげ、母が持っていったボウルに豆腐を入れる。
その晩や翌朝の豆腐の味噌汁、時には湯豆腐や冷や奴になっていた。
のどかな生活が懐かしい。

10月

15

非力であること

友人や親戚が亡くなっていくことに自分は何もできない。
災害がやってきても、防ぐこともできないし、たいした助けもできない。
できるのは、些細なことばかり。
だからこそ、些細なことを積み重ねる。

10月

13

ラグビー日本代表8強入り

どんな練習をすればあそこまで強くなれるのか、どんな気持ちで戦えばあそこまで勝てるのか、僕にはまったくわからないけど、以前のラグビーとは全く違うのは見ていてわかる。
前回は惜しかったけど、それ以前は他国との実力の差が歴然だった。
チームの力をあそこまで持ち上げるのは、きっと並大抵のことではないだろう。
おめでとうございます。
決勝トーナメントも期待しています。

10月

11

豊穣なる世界への入口

「いまここ」を愛すること。
「いま」と「ここ」は別のものに思えるが、実は同じもの。
「愛する」とは、繊細に注意深く感じること。

10月

10

アイルランドの空

台風が近づいてきた空を見て、アイルランドの空を思い出した。
アイルランドは雨が多く、晴れている日は珍しく、良くて曇り空だという。
僕が行ったときには晴れた日が多かった。
そのとき、空にはいろんな形の雲が出ていた。
薄い雲に彩雲が出たこともあった。
雨がパラパラと降った日、ツイードのハンチング帽を買った。
帽子を買ったのはそのときがはじめてだった。

10月

9

世界征服を企む悪の組織

子供の頃見たヒーローものには、よく世界征服を企む悪の組織が登場した。
それを正義のヒーローがやっつけていく。
何年か前にショッカーについてのジョークがあった。
ショッカーは仮面ライダーに出てくる世界征服を企む悪の組織。

ショッカーは、大きな夢、野望を抱いている。
仮面ライダーは、具体的な目標はなく、常にショッカーの後追い。
ショッカーは、目標達成のための研究努力を怠らない。
仮面ライダーは、ショッカーの目標を阻止するのが生き甲斐。
ショッカーは、組織で行動。
仮面ライダーは、単独、または少人数で行動する。
ショッカーは、よく笑う。
仮面ライダーは、いつも怒っている。

これを読んで、なんともいえない不思議な気分になった。
あえて言語化すると、ショッカーは企業に似ている。w

10月

8

苦痛について

苦痛が気持ちいいことになる訳ではないけど、少しやわらぐ方法を見つけた。
苦痛を味わったあとでこう思う。
「この苦痛は死んだらもう感じられないな」
苦痛は何かの警告である。
警告よ、ありがとう。

10月

7

レ・ミゼラブル

「レ・ミゼラブル」は、昔「ああ無情」というタイトルの子供向けの本を読んでいた。
だから、あんな大河小説だとは思ってなかった。
概要だけ読んでも面白そうに感じる。
いつか全部読んでみたいと思うが、こうやって読みたい本ばかりが増えていく。
「モンテ・クリスト伯」も読んでみたいしな。

10月

5

丁寧にやる

サクサクとやるのも気持ちいいが、時間をかけて丁寧にやることも気持ちがいい。
いったいどっちだ? という人もいるだろうけど、両方なのだ。
どちらかが正しくて、どちらかが間違いという考え方は手放そう。
どっちにしてもいいものはいい。

10月

4

サクサクッとできること

手間ひまかけていたことが、サクサクッとできるのはうれしい。
時間を得した感じ。
なんでもそういけばいいのだが、そうはいかないところが味噌。
面倒な感覚がもしなければ、サクサクッとできてもたいしてうれしくない。

10月

3

感情を出せること

コミュニケーションが密になってくると、つい感情的になりたくなる。
怒ったり、わめいたり、泣いたり、笑ったり。
社会的な人はそういうのを抑えるのが上手。
もし感情的になったら、その感情を受け止めてくれる人がいるといい。
あまり抑えてばかりだと、いつか爆発してしまう。
感情的になれるとき、きっとそれを受け止めてくれるであろう人がそばにいるはず。
そういう人に、感情を発散したあとで感謝しよう。