6月

30

パラフィン紙

箱から出した本に
パラフィン紙がかぶせてあった。
この暑さで手につく。
きれいに本に
かぶせ直すことができない。
汗についてきてちょっとずつずれる。
下手にかぶせて箱に入れると
破けたりするから
何度も何度もかぶせ直す。
しかたない、エアコンつけるか。
部屋の温度と湿度が落ち着くまで
本はそのままにしておこう。

6月

28

百合の花

部屋に生けてあった
百合の花が咲いた。
香りが部屋に充満する。
突き出ためしべ、
追いつこうとするおしべ。
めしべの方が長いから、
おしべは花粉を
めしべに届けることができない。
本来ならば虫が来て、
手助けするのだろうけど、
部屋の中に虫はいない。
ハラハラと落ちていく花粉。
花粉を楊枝の先にちょっとつけて、
蜜ののっためしべの先につけてやる。
でも、切り花だからなぁ。

6月

26

夏らしい日差し

冬のあいだに顔ばかりが
日焼けしてしまった。
プールでときどき会うおばさんに
「顔ばかり黒い」と言われていたが、
暑くなってきて半袖を着るようになり
腕も日焼けしてきた。
これで「顔ばかり」
とはいわれないだろう。
じりじりと肌が焼かれる感覚に
ムフフと思う。
顔と腕ばかりが黒いのは
いかがなものかと思うけど。

6月

25

理解不能なこと

これから世界には理解不能なことが
きっと増えていく。
理解不能だけど、
それを受け入れることで
みんながうまくいくようなこと。
人間が人間になる寸前、
きっとプレ人間たちには
「言葉」というものがどういうものか
よくわからなかったはず。
同じように、膨大なデータを読み込み
生み出される本当のAIの判断は
きっと多くの人にとって理解不能だ。
それを上手に受け入れることで
いままで不可能だった何事かが
うまくいくようになるかもしれない。
ただ偽物のAIと本物のAIの区別が
難しく、本物のAIが登場したとき
きっと混乱するだろう。
偽物のAIとは特定の人や人たちの
意図を大きく反映させたもの。

6月

23

元気な言葉

元気な言葉は癖になる。
一度聞いて元気になると
もう一度聞きたくなる。
二度聞いて元気になれると
三度目も聞きたくなる。
でもそれって、
言葉じゃないんだよな。
それを発する
人の雰囲気だったりする。
こうして人は恋に落ちる。

6月

22

ホロン

プロティノスというローマの哲学者がいる。
ギリシアの古典哲学を総括し、
新プラトン派と呼ばれる一派の代表的哲学者だそうだ。
彼がすでにローマ時代にホロンの話をしているという。
ホロンとは1978年にアーサー・ケストラーが
『ホロン革命』という本で丁寧に説明した概念。
日本語訳が1983年に出て話題になっていたので読んだ。
正直言って、大雑把には理解したが
何か腑に落ちない部分があった。
しかし、それから月日が経つにしたがって、
あちこちでホロンの概念を聞くようになる。
不思議なもので、
あちこちで聞けば聞くほど理解した気になってくる。
先日、ヌースフィアについてお話しをした。
このときになるほどと思った。
ホロンであると仮定することで
理解できることがある。
それが大切なのだと。
ある体系がホロンであるかどうか、
厳密に考えていくと
話はただ難しくなるだけ。
そろそろ『ホロン革命』を読み直してみよう。
プロティノスのホロンの話は、
そう思って読んでいくと確かにそう読める。

6月

20

産んでくれてありがとう

この世界に出ることができて
ここにいられることが幸せだ。
いろんな苦労があるにせよ、
つらい思い出があるにせよ、
なんとかいまを生きている。
母さん、産んでくれてありがとう。

6月

19

祈る

宗教に関する本をたくさん読んだ。
心理学に関する本も、
スピリチュアルな本も。
そしていろんなお祭にも参拝した。
聖人と呼ばれるひとたちにも会った。
そうしてやっと気がついた。
最高・最善の神様がいるということ。
どんなに宗教同士で争っても、
どんなに派閥同士で争っても、
どんなに国同士で争っても、
いつか統合してくれる神様。
その神様に名前はない。
その神様はどういうものと
言っても仕方ない。
宇宙を運行している神様。
生命を生み出した神様。
神様という名前は
古くさいかもしれない。
宇宙を生み出した理のようなもの。
それは僕を動かしている。
あなたも動かしている。
それは僕のビジョンであり、
あらゆる人のビジョンでもあり、
地球のビジョンでもあり、
宇宙のビジョンでもある。
それをねじ曲げて利己的に使うと
間違った宗教が生まれる。
どれだけあらゆる存在を正当に扱い、
至福をもたらし、
この生を充実させることが
できるのか。
そのためにいる神様。
僕の能力でそのすべてを
知ることはできない。
人類の英知でも正しくは
把握できない。
宇宙のように神秘に満ちた神。
その存在に感謝するとともに、
その存在に少しでも近づこうとする。

6月

18

すべてのものは発達段階

ときどき人類はもう進化しないと聞くけど、
まだまだきっと進化する。
いまいる生物たちも
環境の変化に伴いどんどん変化し
進化していく。
なかにはもちろん絶滅するものも
いるだろう、いままでと同じように。
ただ心配なのは
人類が生まれて絶滅のスピードが
上がったということ。
人類はほかの生命が
絶滅してしまうような要因を
生み出している。
そのことについて
謙虚に考えてみなければならない。
あらゆるものが進化の途上であり、
発達段階にあるとすると
僕たちは何をなすべきか?
何に向かって
伸びあがっていくべきか。
最近映画などで
人口が増え過ぎて困るので
人口を減らそうという考えを
よく聞かされる。
それって正しい考えなのかな?
正しいビジョンなのかな?
世界人口が30億になり、
仕事の多くはロボットがしている
というビジョンがある。
でも、世界人口は100億を
超えるけど、
人類自体のパラダイムが
そのことで変化し、
いまの僕たちには理解しようがない
価値観のようなものが生まれ
生命圏を
発達進化させていくように
できるはず。
それを可能にするためには
広くて深い話を多くの人と
継続的にする必要がある。
簡単に理解できる話だけで
未来を決めていいのかな?

6月

15

自己とは、最初から与えられてはいないもの

瞑想によってブッダになろう
などと思うな。
お前はいつもブッダだったのだが
そのことを忘れているだけだ。
こう言うのはやさしいのだが。
黄檗希運

6月

14

緑に包まれる

森に入った。
緑に包まれる。
風が吹くと木々が揺れる。
葉の先から水滴が垂れる。
声を出すと鳥が答えてくれる。

6月

13

米朝首脳会談

無事に終わってよかったと思う。
メディアでは
失敗だったという記事が多いけど、
細かいことまでチェックしてったら
一日では終わらないでしょう。
まずはよかったと喜びたい。

6月

11

襞になる雨音

窓を開けて畳の上で横になる。
外では雨音。
緑の木々を打ち鳴らす。
風の流れで襞になる。

6月

8

夏のきゅうり丼

きゅうり丼ご存じですか?
まだ食べたことがないなら
ぜひ試してみてください。
作り方は簡単です。
きゅうりを一本すりおろす。
それをご飯の上に載せて
醤油をチロッとたらすだけ。
はじめて雑誌で読んだとき、
こんなものが美味しいのかと
思ったけど、なんか気になったので
自分で作ってみた。
するとびっくり。
あんなに簡単なのに美味しいのです。
普通の丼物と同じようにしてはいけません。
いろんな美味しいものを食べたあと
締めとして、ご飯茶碗一杯に
一本のきゅうりを
すりおろすくらいが
丁度いい塩梅です。
一緒にあるのは滑茸の味噌汁と
香の物があると最高。
きゅうりの香りって
どんなものかわかります?
かつて全然
気にしていなかったのですが
調香師の知り合いに香料を出されて
「これなんの匂いかわかる」
と聞かれ、
なんの匂いかは
わからなかったのですが
ふと幼い頃、父親が友人を家に招き、
そのテーブルの上に
きゅうりとわかめの酢の物が
置かれていたことを思い出し、
そのことを告げたら、
「そうなんだよ、
 これはきゅうりの香りだ」
と言われて以来、きゅうりの匂いが
わかるようになりました。
そのさっぱりとした香りが
きゅうり丼にはあるのです。
しかも、きゅうりは抗酸化作用の王様。
中国人が山登りに水を飲む変わりに
きゅうりを食べるのは
とても合理的なことなんです。
というわけで、
きゅうりが美味しくなってきて
みずみずしいきゅうりが手に入ったら
ぜひやってみてください。
きゅうりをすりおろすと
でてくる水分も
いっしょにかけてください。
しゃくしゃくと涼しげな
ご飯になります。

6月

7

繰り返すことを楽しむ

同じことを何度も繰り返すと
たいてい飽きる。
ところが何度やっても
飽きないことがある。
それが「商い」になると
商売をしている人はよくいう。
でも、商売以外でも飽きないことは
たくさんあって、
人はそれをしていけば
いいんだろうなと思う。
同じことを何度もしてているうちに
工夫が生まれ、
工夫がいくつか積み重なって
発明や発見になり、
その人にしかできない
何かが生まれる。

6月

6

赤の書から抜粋

あなたはこの時代の精神に仕え、深
みの精神を免れることができると思
っている。けれども深みはもはやこ
れ以上ためらわずに、あなたをキリ
ストの密儀に無理やり押し込めるで
あろう。人間が英雄によって救済さ
れるのではなく、自らが一人のキリ
ストとなることがこの密儀に属して
いる。このことはこれまで生きてき
た聖者たちの例が象徴的に教えてく
れる。

—————

赤の書は心理学者ユングの著作。
第一次大戦を前に精神状態が不安定
になり、黒い表紙のノートに夢やヴ
ィジョンを書き連ねて行く。これを
ユングは黒の書と読んだ。当初、ユ
ングはなぜそれを書いているのか、
理由がわからなかった。しかし、第
一次世界大戦の開戦により、心の不
安定さはその予告であったことを知
る。

1914年から16年をかけ、黒の書を清
書した。中世の写本を彷彿とさせる
装飾を施して。この清書は赤い表紙
の大きな革装のノートに書かれたた
め『赤の書』と呼ばれる。

ユングの死後、銀行の金庫に保管さ
れ、内容を知ることはできなかった
が、2009年、遺族が許可を出し、各
国で出版されていった。

6月

5

力を抜く

何かがうまく行かないとき、
からだ全体の力を抜く。
肩に力が入っていたり、
腰に力が入っていたり、
ふくらはぎに力が入っていたり、
思わぬ所に力が入っていたりする。
椅子に座って楽にして、
からだのすみずみを感じてみる。
足や手、お腹、背中、首、肩、
あご、口、目、額、耳、頭皮などを
順番に感じてみる。
どこかに力が入っているのを感じたら、
その力を緩めましょう。
「がんばってくれてありがとう」
といいながら。

6月

4

本のシンクロ

何冊か並行して本を読む。
一冊だけをじっと読むことはしない。
電車に乗ったときに読む文庫本。
お風呂で読む厚い本。
ほかにも数冊並行して読んで行く。
するとときどき
全然関係ないはずの本が
似た話になっていたりする。
本の共鳴。

6月

3

大きな親書

北朝鮮からトランプ大統領に
大きな親書が手渡された。
メディアの反応を期待してのものだろう。
まるで政治の場が
バラエティ番組のようだ。
でも、僕はこれはいいことだと思う。
北朝鮮はトランプ大統領に
親書を渡してはいるが、
その様子を報道している
マスメディアのひとたちを通じて、
マスメディアを見ている
世界中の一般の人たちに対しても
メッセージを送ったと言える。
それが吉とでればいい。

6月

1

ベランダの鳥

ときどきベランタに鳥がやって来る。
小さな訪問者。
彼らは歌を歌う。
僕はしていることを休んで
聞かせてもらう。
ひとしきり歌うと彼らは去って行く。
何の見返りも求めずに。