1月

29

三本の矢

「ファシズム」の語源はラテン語の「fascis」で、「棒の束」を意味するのだそうだ。
『21 Lessons』でユヴァル・ノア・ハラリは「それには深く不気味な意味がある」と書いている。

棒は一本だととても弱く、たやすく真っ二つに折れる。
ところが、何本も束ねて「fascis」にすると、折るのはほぼ不可能になる。
これは、個人は取るに足りないものの、共同体は結束しているかぎり、とても強力であることを意味している。
したがって、ファシストは誰であれ個人の権益よりも共同体の権益を優先することが正しいと信じており、どの棒にも、けっして束のまとまりを損なわないことを求める。
『21 Lessons』ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 河出書房新社刊 p.378-379

毛利元就の三本の矢を思い出す。
共同体にいる人にとってはいい話かもしれないが、共同体の外部から見ると「深く不気味な意味」を孕む。
でも最近では、多様性がないとうまくいかないという話があるので、共同体にとっても必ずしもいい話ではなくなっているかも。

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