4月

2

ボイルストン

大学生の頃から会社員だった頃まで通っていた店が高田馬場にあった。
バーボン専門店のボイルストンだ。
いつも何十種類かのバーボンが置かれていて、片っ端から飲んでいった。
そこで僕はバーボンの味を覚える。
残念ながら高田馬場のボイルストンは閉店してしまったが、数十年ぶりに本店のボイルストンに行った。
いまもたくさんのバーボンがある。
そこのオーナーの家には千本くらい、かつて名品といわれたボトルが保存されているそうだ。

1月

28

武甲庵

秩父市役所の裏手に「武甲庵」というカフェギャラリーがオープンした。
一階がカフェ、二階がギャラリーである。
ここに3月17日まで清水武甲という写真家の作品が展示されている。
武甲庵の「武甲」は清水武甲の「武甲」なのだ。
秩父の写真を撮り続け1995年に亡くなる。
まだ雄大な武甲山や戦争中の秩父の様子も見られる。

12月

21

祭の湯

秩父に行き、帰りの電車を待つ間に西武秩父駅に繋がってできた祭の湯に入った。
何種類ものお風呂があってどれに入るか選ぶのが楽しい。
大きなお風呂に入るのもいいが、小さなつぼ湯に丸く収まるのも気持ちいい。
ホカホカになってレッドアローでビールを飲んで寝ながら帰る。

11月

2

ブサキ寺院での礼拝

バリ島のブサキ寺院は
いくつかのお寺が
集まってできている。
その中心にあるのが
プナタラ・アグン・ブサキ寺院。
ここに三大神である
ブラフマ・ヴィシュヌ・シヴァを
祀っている場所があり、
そこで礼拝する。
この三神をまとめて
トゥリ・ムルティと呼ぶが、
その三神のための椅子が
その礼拝所には用意されている。
礼拝所に座り、
アグン山の方向に目をやると
高い場所に
その三つの聖なる椅子が目に入る。
神様は目に見えるものではない。
その見えない神を
そこに降ろすことをイメージした。
そしてその場所と
自分の祖先や親族と
大宇宙に感謝することを促される。
すると、その三つが、実はすべて
つながっているものであることが
イメージでき、そのことに震えた。

10月

24

皇居の松

皇居のまわりに
松が何本も植えられている。
きれいに剪定され、
一本いっぽん
個性的な姿になっている。

9月

11

地下鉄のエアコン

911から17年。
ニューヨークでは何かあったかな
と調べると、
破壊された地下鉄の
コートラント駅が
再開されたとあった。
なんで17年も使われなかったのか。
しかも驚いたのは
ニューヨーク市地下鉄は
どこの駅にもエアコンがなく、
再開されたコートラント駅が
はじめてのエアコン導入駅
となったとか。
東京の地下鉄には
どこもエアコンが入っていて
良かったと思う。

6月

14

緑に包まれる

森に入った。
緑に包まれる。
風が吹くと木々が揺れる。
葉の先から水滴が垂れる。
声を出すと鳥が答えてくれる。

5月

2

スカスカ

僕のサイトはリニューアルによって
現在中身がほとんどない。
気分爽快。
スカスカいいなと思う。
うちの書斎は本であふれている。
置き場所がなく本が積まれ、
書類が積まれ、
足の踏み場が狭くなり、息苦しい。
それにもかかわらず
本を廃棄するたびに悲しくなる。
この葛藤はいつまで続くのだろうか。
スカスカいいなと思うけど、
読み返したい本がたくさんある。

3月

5

裁縫屋さん

近所に商店街通りがある。
かつてそこは賑わっていたが、
少し離れたところに駅ができ、
街の中心はそっちに移った。
その、少しさびれた商店街に
小さな裁縫屋さんがある。
朝の七時頃から開店しているが、
お客さんがいるのを見たことがない。
そこは50年ほど前、
母とたびたび行っていた店だ。
母がその店に入ると
布やらボタンやら毛糸やらを選び
なかなかその店を離れない。
幼い僕はスツールに座って
「やれやれ」と思っていた。
母は専業主婦だったので、
1日、僕以外の誰とも
話さないような日もあっただろう。
そういうとき、この店に来て
年の近いそこの店主と
気晴らしのためのお話しを
していたのではないかと
歳を取ったいまの僕は思う。
そのお店に50年ぶりくらいに入った。
セーターのボタンが取れてしまい、
似たボタンを探すためだ。
朝の七時半、
「おはようございます」と言って
お店に入る。
二度呼んだが誰も出て来ない。
大きな声で呼び直すと、
店主と思われる
おばあちゃんが出てきた。
たけど僕には50年前の店主と
同じ人がどうか、思い出せなかった。
「これと同じボタンが欲しい」
と言って、小さなボタンを手渡す。
「あるかな」と言いながら
ボタンの箱が並んだ棚に近づいていく。
白い厚紙でできた箱の表面に
その箱に入ったボタンが
きれいに貼り付けてある。
昔その棚にはもっとたくさんの
ボタンが並んでいたように
記憶している。
十分の一くらいに
規模が縮小していた。
あれかこれかと迷ってあとで
「これならどうかね」と
ひとつのボタンを手渡してくれた。
まったく同じではないが
似たボタンが僕の手の上に乗った。
「これ買います。いくらですか?」
「100円」
100円を払った。
「僕、50年くらい前、
 ここによく母と来たんですよ」
「あら、じゃあここを
 開店した頃ですね」
会釈して店をあとにした。
母のその後は聞かれなかったので
僕もあえて口にはしなかった。

2月

21

小さな熊手

東京芸術劇場の一階に
シアターアートショップという
グッズショップがある。
アート・演劇・音楽に関連した
グッズを売っている。
変わったものがたくさんあるので
ときどき覗く。
どこかの美術館のグッズだとか、
アーティストの作ったメモ用紙や
一筆箋、ブリキで作った
エジプトの棺に入った色鉛筆だとか、
つい「これなに?」と
言いたくなるようなものが
たくさんある。
その中に「作曲キット」
というものを見つけた。
箱の中に三本のペン先と、ノートと、
小さな熊手のようなものが
入っている。
三種類のペン先はきっと
楽譜用のペン先なのだろう。
昔、僕も愛用していた。
ペン先が平らに削ってあって、
縦に書くと太い線が、
横に書くと細い線が引ける。
それで音符の先の玉の部分を
太い線で書き、軸になる細い部分を
細い線で書く。
あとの二本はなんだかよく
わからなかったけど、
きっと太さが違うんだろうと思った。
しかし、小さな熊手のようなものが
なんだかわからない。
店員に聞くと、
「五線を引くペンです」という。
なるほど、これで一度に
五本の平行な線が引けるのか。
キットにあったノートを開くと
無地のノートだった。
なるほど、五線譜ノートを
作るところから始めるのね。

2月

13

NEWoMan

新宿にNEWoManという
駅ビルができた。
去年のことらしい。
NEW-o=Manと読んで、
真ん中の「o」の意味は何だろうと
思っていた。
あるときふと気づくと、
「NEW Woman Man」がくっついて
「NEWoMan」なんだなと思った。
そう見えたきっかけは、
その駅ビルに行くと
女性らしい中性的な雰囲気の
男の子が何人もいたから。
新宿らしいと思った。
売っているものも中性的な商品が
多いような気がした。
LGBTがもう少数者では
ないような気がした。

1月

28

ベーグルのカフェ

城北中央公園の入り口前に
ベーグル専門のカフェができた。
以前同じ場所に
やはりベーグル専門の
カフェがあった。
前のお店は何年か前に
つぶれてしまったけど、
今度のお店は長続きして欲しい。
ベーグルときどき食べたくなるから。

1月

8

馴染みの店の小さな灯り

馴染みの店に歩いていく。
少し離れたところから
小さな明かりが見える。
人影がチラチラ。
今日も誰かいるな。
あれ食べようかなと
もう決めている。

1月

2

搗きたてのお餅

お正月になり、お餅を食べる。
年末に搗きたてのお餅をいただいた。
これはすぐに食べなければと
少しいただく。
うまかった。
年が明けてから食べたお餅は
すでに一度固くなったもの。
それをゆっくり焼いて
プクーッとふくらませてから
いただく。
表面に固くなった部分があり、
そこが歯にくっつくけどうまい。
でも搗きたてのうまさには
かなわない。
歯ごたえが少しだけ違う。
微妙な違いでしかないのに
その違いが大きく感じる。
これって気持ちだけの問題なのか?
一昨年行った「月光」を思い出した。
調べると「月光」は
お引っ越ししたようだ。
いつか新しいお店にも行こう。